「震災の前は、人の苦労話とか聞いたって、
 うわべだけで、分っていなかったですね。
 『大変ですね、頑張りましょう』って言うけど、
 口先だけだったのかもしれない。
 震災後は、話を聞いているとね、
 自分がつらい時期を過ごしてきたから、
 自分と同じようにつらいんだろうなぁってね。
 自然と涙が出てくるんだよね。
 ほんとうに人の痛みが何倍にも分かるようになった気がしてね」と。

言えば簡単に聞こえるが、そこには心の一線を画した
壮絶な戦いがあったに違いない。
津波でお母さんと奥さんを亡くしている。
「つらい時期を過ごしてきたから」というが、
まだまだその時期の渦中であろうに…。

悲しみは どこから やってきて
悲しみは どこへ 行くんだろう
いくら考えても わからないから
僕は悲しみを 抱きしめようと 決めた、と

長渕剛は歌う。

「ひとつになって」
そんな思いが込み上げる。