渡米3
僕の第2の逃亡を引き延ばしたのは
適当な中古車がなかなか見つからなかったからだ。
そのうちに、僕は2つの大きな出会いをする。
1つは人。或るおばあちゃんとの出会いである。
いわゆる戦争花嫁といわれる人で、
米国の軍人と結婚して、単身日本からアメリカへ渡ってきた人達だ。
恋は盲目とはいえ、知り合いもいない、
言葉も通じない異国に突然来て、どれほどか辛く、寂しい思いをしたことだろう。
とはいえ、そのおばあちゃんは明るくはつらつとしていた。
そうした試練を乗り越え、勝ち越えて来たのだろう。
僕は、おばあちゃんに質問をした。
「おばあちゃんは毎朝、朝日がきれいに見えますか」と
おばあちゃんは「毎日きれいにみえますよ」と即答した。
その言葉が心にささった。
惰性の心が砕かれた。
おばあちゃんは哲学を持っていた。
生きた哲学である。人生に鍛え抜かれた哲学である。
僕はかなわないと思った。
「せっかくアメリカまで来たんだから、
あんたも哲学を持ちなさい。失うものは何もないでしょう」といわれた。
確かに、心一つでアメリカに来た僕には
失うものは何もなかった。
「よし、持ってみよう」
わけもわからず、そう素直に思った。
それが、新しい世界の始まりだった。
再び、朝日が感動とともに昇り始めた。
本当に不思議だった。
一体、何が起こったのだろう。
1日には、朝と夜があり、
1年には春や冬の四季があり、
宇宙にはリズムがある。
僕は、確かにリズムを感じた。
リズムに生きることを学び始めた。
僕の中から、逃げる心はいつしか消えていた。
続く・・・
僕の第2の逃亡を引き延ばしたのは
適当な中古車がなかなか見つからなかったからだ。
そのうちに、僕は2つの大きな出会いをする。
1つは人。或るおばあちゃんとの出会いである。
いわゆる戦争花嫁といわれる人で、
米国の軍人と結婚して、単身日本からアメリカへ渡ってきた人達だ。
恋は盲目とはいえ、知り合いもいない、
言葉も通じない異国に突然来て、どれほどか辛く、寂しい思いをしたことだろう。
とはいえ、そのおばあちゃんは明るくはつらつとしていた。
そうした試練を乗り越え、勝ち越えて来たのだろう。
僕は、おばあちゃんに質問をした。
「おばあちゃんは毎朝、朝日がきれいに見えますか」と
おばあちゃんは「毎日きれいにみえますよ」と即答した。
その言葉が心にささった。
惰性の心が砕かれた。
おばあちゃんは哲学を持っていた。
生きた哲学である。人生に鍛え抜かれた哲学である。
僕はかなわないと思った。
「せっかくアメリカまで来たんだから、
あんたも哲学を持ちなさい。失うものは何もないでしょう」といわれた。
確かに、心一つでアメリカに来た僕には
失うものは何もなかった。
「よし、持ってみよう」
わけもわからず、そう素直に思った。
それが、新しい世界の始まりだった。
再び、朝日が感動とともに昇り始めた。
本当に不思議だった。
一体、何が起こったのだろう。
1日には、朝と夜があり、
1年には春や冬の四季があり、
宇宙にはリズムがある。
僕は、確かにリズムを感じた。
リズムに生きることを学び始めた。
僕の中から、逃げる心はいつしか消えていた。
続く・・・