もっともドラスティックな変化とは何か。

やはり、生と死の変化であろう。

ある日突然、無から何かが生じる。生きていたものが亡くなる。

「無」といったが、本来無ではない。亡くなるが、「無」になるわけではない。

それを知っても、やはりその変化のインパクトは大きい。


十数年に渡り、陰に陽にお世話になった。

また、気にかけてくださった方が亡くなった。

もちろん、人間関係は時間だけではない。深さだ。


こんな思い出がある。

ある時、講演会の講師をお願いした。

その前月に病で入院されたのだが、そのことは少しも言わず

当日に講演会に現われた。

少しやつれた感と声も弱々しい感じがした。

しかし始まるや否や別人のように、

堂々たる所作と声のはり、全く驚かされた。

すべては、この時に照準を合わせて、身体を調整してくれたのだ。


また仕事上で、外されたことがあった。

その時に、「そんな歳になったんだよ。しばらくカッパの川流れだね」と、ひと言。

心が軽くなった。


そして、新しい挑戦に踏み出す決意を述べた時

「死ぬまで付き合うよ」と言われた。


文字通り、死ぬまでお付き合いいただいた。

だけど、その挑戦はまだ始まったばかり

「もう付き合えないぞ」と思われたのか。

それとも

「もう大丈夫だろう」と思われたのか。

早々と逝ってしまった。

分かってはいるが、寂しい思いが込み上げてくる。


甘えは、まだ心の内にしぶとく居座っている。

「長い間、ありがとうございました」


「そんな歳になったんだよ・・・」