実質実効為替レートと理論均衡為替レートという言葉を知りました。
現在、ドル円は140円から143円付近を行ったり来たりしています。
これを実質実効為替レートと呼ばれ、相対的為替貨幣価値を表しています。
アメリカの経済状況が良くなれば、円安方向に向かうだろうし、
経済状況が悪化すると予測されるのであれば、一気に円高に向かうのでしょう。
今回は
90日間の関税停止措置中なので、今後どうなるのかは分かりませんが
アメリカの大豆農家は10%も価格が下落して困っているという話や
産油国が増産を始めたということで、原油価格もまた下落を始めた様子です。
そんなことで、一体全体、これから世界はどうなっていくのか?
そして、我々投資家は、どのように投資していけばよいのでしょうか?
ということを考えてみた時に、もしもこれから円高になっていく場合、
アメリカ株を買うと、我々は為替損を起こしてしまい、また逆に円安になるのならば
アメリカ株を買っていけば為替益が出て、良いと云うことが分かります。
日本株だけを買っている人は、あまり関係ありませんが、
それでも今後の輸出企業の業績にも関係して
1Q、2Q、3Q、4Qの決算の度に経常収支が下がり、そして利益幅が下がっていくのは、
恐らく為替差損による部分が大きいと思いますので、国内株売買の場合には
為替差の影響の少ない企業であれば、安心してスイングトレードも良いかもしれません。
そんな事で、はてこれから実効為替レートはどのように変化していくのか?
そして、日米金利差が変わっていくことによって均衡為替レートへ近づいていくのか?
という事を調べてみました。
均衡為替レートには、ある計算式があり、またその他にも
経済指標から導き出される方程式のようなものが存在することが分かりました。
円建て金融資産金利=ドル建て金融資産金利+分母をE0として、
分子が将来の為替レートの期待値-E0
という計算式になるようです。
その場合には大凡120円前後が理想均衡為替レートになるとのことです。
また、その他に、イギリスエコノミスト紙が発表する
マクドナルドのビックマックの値段を用いた指数によって導き出される為替レートも存在し、
2024年10月31日の実効為替レートでドル円152.64円の場合には
アメリカのビックマックは5.62ドルで、日本では3.04ドルで買えることから
日本の円は過小評価されていると考えられています。
次に、世界銀行が発表する物価指数からはじく購買力平価というものがあり
大凡70円~80円のバンド幅に収まるのが理想らしいです。
またその他にも
2024年の推計値では、1ドル90.8円とされており、購買力平価で70%も割安とされています。
なぜ、現在の1ドル140円の実効レートと均衡為替レートに違いがあるのかと云えば
まず第一に、日米金利差があります。
赤線が日本で青線がアメリカの金利の変動グラフです
この金利差が縮小していくことで、均衡為替レートに近づいていくと考えられています。![]()
日本は金利を上げたいけれども、上げることによってゼロゼロ融資の返済企業
及び借り入れをしている中小企業が、返済で苦しみ
倒産件数が更に増え、また同時に日本の国債金利が上がることによる当たり前の弊害で、
日本国の利息負担分の支出が増えてしまうことになります。
アメリカはインフレを撃退するために金利を上げてCPIを2%に近づけるようにしました。
よし、コアCPIも下落トレンドになってきたことだし、
そろそろ金利を下げようか?と思って下げ始めた途端に
またもや総合CPIが上昇しそうな雰囲気が見え、インフレが再燃して居るのでは?と
危機感が現れてきてしまいました。
そこで、結局これ以上には金利を下げられず、現在4%台で留まっています。
もしかしたらインフレ撃退のために5%に上げるか?
それとも4%台を長らく維持する可能性もあります。
いずれにしてもこれはアメリカ国債の利払い費に直結し、
政府サイドとしては利払い額を安く済ませたいから、金利を下げて欲しいという目論見もあり
しかしながらFRB側としては、インフレを退治するという経済を考えれば下げる理由にもいかず。
アメリカ国内では、政府の借金返済に頭を抱え、かといって3億人の庶民の生活に直結する
物価高をこのまま放置する訳にもいかないと云ったジレンマが存在し
更には、バイデンの3度のQE(金融緩和)のツケでもある政府債務は35兆ドルを超え、
金利の利払い費だけでも1兆ドルもあり、
第2次世界大戦時の利払い費をも超えました。
これではアメリカがいつまで財政支出が持つか分からないという事で、
トランプ氏は
アメリカの国内産業を復活させて恒久的な貿易赤字を解消し、
貿易黒字国に転換するために
関税をかけて、国内産業育成に舵を切りましたが、
それはそれでまた株価への影響が大きく、
一時的にS&P500が10%の下落ショック(後にトランプ関税ショックと命名されるでしょう)
を引き起こしましたが
トランプ関税の90日間停止を受けて、またもや株価が急上昇復活してきました。
まさに4月に入って乱高下の様相を見せ、世界の株価をかき乱しています。
日本の金利が低いことによる、円キャリートレードも金利上昇と日米金利差の縮小と共に
これから徐々に解消の方向へと進み、日本企業への投機的な投資が控えられ
一旦株価が下落すると、個人的には考えています。
ユーチューブを見ると、これから日経平均が10万円を目指すんだという専門家も見受けられますが
それは、また一難去ってまた一難を乗り越えた先の話でしょう。
まずは、均衡為替レートに近づくように、トランプさんのリップサービスによる
140円という円高方向へと進み
更には金利差縮小によって120円付近になってから、株価が落ち着き
その後、力をつけた日本企業が上を目指すという流れになるのではないだろうかと予想します。
あくまでも、予言に近い妄想ではありますが、
その間、それを裏付けるかのように金の価格上昇が続くように思います。
金価格はいつか必ず下がります。![]()
数年後には1グラム9000円程度に落ち着き、10年後には5000円代に落ち着くと思います。
金価格の下落と同時に株価の上昇が見られるようになると思いますが、
その時のドル円為替レートがいくらか?というのが
本当の買場的投資タイミングでもあるように思います・・・
といえば時間的随分先のように見えてしまいます。
アメリカの金利下落の1年後から、アメリカ経済のリセッションが発生するのが常です。
逆を言えば、金利上昇中と金利が一定のうちは株式投資タイミングであり
金利下落後1年までは、買場でもあると思いますので、まだアメリカ株は買っても上がるでしょう。
しかし、金利が下がり始めたら、徐々に手仕舞いを行い、リセッションに備えるように
現金保有率を高めておいたほうが良いように思います。
またまた逆を言えば、日本の政策金利が順調に上がっていけば、
それはそれで日本株の買場であるということでもありますが、
何せ、日本は奴隷的立ち位置ですので、アメリカのリセッションに引きずられて
全体的PBR下がり、バリュー株となってしまいますが、
実力があるのに、陽の目を浴びられないという部分。
そこが、なかなかに日本株の難しいところでもあるように思います。
今日は、為替レートを見ていて、そんな風に思っていました。
本日も最後まで、素人の私の目線を最後までお付き合いくださいましてありがとうございました。
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