相棒であるArcury80NOVAは、板圧が薄いものも可能であるということで
薄い板から1.2mm程度までは、ワイヤー径0.6mmパイの半自動溶接が適しているのではないかと考え
板同士を突き合わせた単純線軌跡の溶接を行う考えでおり。
板圧が1.2mmから3.0mmには0.8mmパイのワイヤーを用いた半自動溶接を考え
この場合には、溶け込みを重視して、角を削って開先を作りそこに染み込ませるイメージで
単層もしくは、2層の左右に動かしながらのウィービング運棒のやり方を行う考えであり、
3.0mmを超え4.0mm位までの板圧には、半自動溶接モードではなくMMAアーク溶接モードで
2.0mmパイの被覆溶接棒を用いた方式で、また開先を作り、一層目は溶け込み重視で
2層目のウィービングから強度重視の運棒を行い、施工しようと考えた。
果たして、これで良いのか悪いのか?はやってみないと分からないが
きっとこれで考え方は間違っていないのではないだろうかと思う。
さて、その次に問題なのは、鉄とステンレスの材質の違いが問題だ。
何が違うのか?をネットで調べてみると
磁石がくっつくかどうか?というのが一つの指標らしい。
また、鉄は錆びるが、ステンレスは錆びない。
そこまでは理解できる。
しかし、ステンレスは、鉄の素材にクロムやニッケルを混ぜ、
更に強度を増す為に炭素を溶け込ませた素材と記されている。
クロムが鉄よりも先に酸化して被膜を形成してサビを防止するということで
錆びない素材と云われていますが、
強度は鉄が400N/mm2に対してステンレスは500N/mm2であり、
強度もステンレスが勝っています。
問題は、私が溶接しようとする単管パイプですが、昭和のものであり
規格が古く、何処の国が製造したのかわかりませんが
炭素鋼鉄亜鉛メッキであることは間違いありません。
炭素鋼鉄とは、炭素を含んだ鉄ということで、純鉄よりも炭素量が多く
またケイ素、マンガン、硫黄、銅などが混ざっている鉄のことを指します。
つまり、溶接棒は、ステンレス素材のものではなく、
軟鉄用のものが適していると言えるでしょう。
この表では分かりづらいので
スズキッドさんのものを見てみようと思います。
赤いラベルの軟鋼用、鉄用低電圧
青いラベルの軟鋼用、鉄用一般
緑色ラベルのステンレス用
その他に亜鉛メッキ用 2mmパイ~3.2mmパイ 200V用
というものがあり、単管パイプは亜鉛メッキが成されているので、表面を削ることなく
そのまま溶接する場合には、アーク溶接モードで
この被覆アーク溶接棒 亜鉛メッキ用を用いればうまくいく事が考えられます。
問題は、溶接棒が2.0mmパイが最小単位で、1.2mm厚の単管パイプに
穴が空いてしまわないかが心配の種です。
また、残念なことにこれは100V溶接機では使用できない
とのことで
親父が100V/200V仕様のSUZUKID REDGO120アーク溶接機を購入したのは
この亜鉛メッキ用の溶接棒を使用する為だったことも考えると
私は、100V仕様を購入したことは若干浅はかな選択だったように思います。
つまりは、
多少の強度は落ちるものの、半自動溶接の0.8mmパイの軟鉄用のワイヤーを使用して
亜鉛メッキの母材をグラインダーで溶接表面をサウンディングして
亜鉛メッキを剥いでから溶接しなければならない
という必然的一択の選択肢になってしまったということが分かります。
とりあえず、今年はこの100V仕様の半自動溶接でやってみて
来年は親父が使っていた、昔の200Vアーク溶接機で100Vを昇圧して
亜鉛メッキ用の被覆アーク棒でやってみる
という事で考えています。
単管パイプで農業用ハウスを作られた方々には、
今回の内容は、なるほど納得!!
と思えるような話だったのではないかと思いますが
どうでしょうか?
ということで、自分が溶接するものはどういうものか?
ということを考えた前提で溶接機を選ぶ必要があり、
かっこいいからという選択ではなく
また溶接棒も、自分がやりたい母材の素材を考えた上で
サイズなどを選んで使用しないと接着強度が出せないということもあると思います。
本日もまた、また引き続きめんどい内容でしたが、
最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。