携帯トイレを買ってからまだ一度も使用した事はありませんが、
新製品や、よりコンパクトな製品が出る度についつい購入してしまいます。
防災グッズとしての利用価値もある事から、いくら買ったとて後悔はありません。
田舎では、水洗が使用出来ない状況に於いても、土を掘って用を足す事は可能ですが、
マンション暮らしでは、便の問題は深刻です
ですから、マンション住まいの方から先に携帯トイレを購入して災害に備えて欲しいとも思います。
さて本来の使用法としては、山で便を放置しないという事が目的です。
人の便は、有害です。
通常は3日間大気に晒すと嫌気性菌の大腸菌は減少していくのですが、
土に埋めると嫌気性菌は繁殖して増えていくそうです。
またステロイド薬や血圧の薬を飲んでいると、土壌汚染になり、
土壌が復活するまでは最低でも4年が必要で、畑にも使用出来ません。
もっと深刻なのは大腸菌汚染で、大腸菌が地下水へと侵入すると数十年は地下水が飲めなくなります。
有名なのは富山の立山です。
昭和初期には山からの湧水が飲めたらしいのですが、立山信仰で登山客が大勢来る中で、
誰かが用を足し便を放置して以来、今でも雪解け湧水から大腸菌が検出されて水が飲めません。
ですから、水源を守るためにも便は持ち帰ることがいずれ常識になる事でしょう。
もしくは、飯豊連峰や朝日連峰で試みられている、無人の避難小屋宿泊に1,500円は高すぎる
と言われますが、便の処理にバイオ処理を使い、体積を減らしてからヘリで運びますので、
決して高くはありません。
ヘリで荷下げすると一回90万円ですので、それを考えれば携帯トイレを持ってテント泊が良いのか?
避難小屋に1500円払って便をして雨風を凌げて、装備が軽い方が良いのか?
これからの時代は、第3次登山ブームも峠を越えていくでしょう。
避難小屋や山小屋も少なくなっていく中で、携帯トイレ持参の山は増えていくと予想されます。
利点としては、いつでもどこでも用が足せるという事です。
欠点は、下山までリュックに持参する事です。
しかしながら、食べれば、出る訳ですので、
ここら辺の論理も、山を愛する人ならばこそ変えていかなくてはならないのかもしれません。
自分の便で、孫たち世代まで湧水に大腸菌が検出されて飲み水が煮沸必須になる事は、
出来得る限り避けたい所です。
北海道はキツネのエキノコックスの便で煮沸必須ですが、
本州も遠くない未来に人間の便でそうなるかも知れません。
「湧水が美味い」はいつの時代まで使える言葉でいるのでしょうか?
モンベルの携帯トイレはコンパクトで良いのですが、私はその狭い空間に落とせるでしょうか?
でもサニタリーはデカ過ぎるし、悩みどころです。
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