我が家のリビングの今年のカレンダーは、

いわさきちひろ です。

 

 

すくなからず。

いえ、みんな、いつか、どこかで、この自分とはなんだろうと、この自分はこれでよいのかなと、問いかけたことがあるのではないかしら。

 

そして、その時々、その都度つどに、「答え」を、

胸のキャンバスに、ピン止めして。

 

上書きしたり、

消したり、

また足したり、

いろんないろんな「答え」それらの集積が、チカチカとひかっている。

 

それは、明るく、華やかなものだけでなく、

シミのようなもの、くすみのようなものも、含んでる。

 

 

ちょうちょ

 

 

いわさきちひろ美術館に出かけたのは、12月のこと。

 

結婚する前に住んでいた町のすぐ近くにあった。

あったことは知っていたけれど、行ってみようとも思わなかった。

 

 

だから、実際に行ってみて、驚いた。

とても。

 

子供向けの「絵本」を、従来の物語ありきの限定された挿絵の世界から、絵が語って「世界」を作り出すものへと、いわさきちひろが変革の先鞭をつけた。

 

そして、そこで語られていたものは、

小さい頃の「胸のキャンバス」にピン止めされた、いろんな、いろんな、いろんな、こと。

 

もう大人になって、忘れていたような、切ないような、苦いような、そんなこと。

繊細で、やさしすぎて、やわらかくて、あったかい、そんなこと。

 

 

 

 

「風船と舞い上がる少年」

 

 

 

 

 

左は夫が、右は私が思わず購入した絵本

 

 

だから。(いえ、そのときは、そんな「だから」なんて理由は全く分かっていなかったけれど。)

 

最初は、展示されている作品から目が離せなくなり。

そして、また、それらの作品が、どの絵本のものか分かるように、共に置かれている絵本を、端から読んでしまった。

 

 

そして。

端から読んでは、鼻水をぐじゅぐじゅと垂らして泣いてしまった。

 

いわさきちひろの絵に、洗われました。

胸のキャンバスのしみもくすみも、そのまま、これでよかったんだと。

 

 

 

ちょうちょ

 

あたり前と言えば、あたり前なのですが、絵本よりも、原画はさらに素晴らしかったです。

色も、線も、余白の取り方も。

(絵本でさえも、切り取られた絵によって作られているのだと、初めて気づきました。)

 

 

さらに、私が最も感動したのは、

いわさきちひろは、よく花と共に子供たちを描いていますが、

花だけを描いた小作品を見たとき。

 

「あぁ、この人は、本当に花の本質を理解している人だ、花がほんとうに好きな人だ。でなければ、こういうふうには描けない。」と、直感したからです。

 

私は、花の写真を撮るので、ただただまっさらな目で花を見る、それが出来ることが、どんなに重要なことか経験上、知っています。

 

いわさきちひろは、そういうまなざしで、花や植物、そして子どもたちを見ていた。

絵を見て、そう確信しました。

 

そしてまた、いわさきちひろ(1918~1974)が、絵を描き続けた原動力は、

社会や経済やその他いろんなことがどんどん変わって大切なものが取り残されてしまう時代を生きていかねばならない、これからの子どもたちに向けて描きたいという気持ちでした。

 

この、「これからの子どもたち」とは、まさしく、50歳~40歳代の私たちの世代なのです。

そのことを知ったときの衝撃。

 

そして、今、その絵にふれることのできた幸運。

 

 

もちろん、いわさきちひろの絵は、私たち世代だけでなく普遍的にどの世代の「子どもたち」に向けられています。

 

 

だから、ぜひ、多くの人に訪れてほしいです。

いわさきちひろ美術館。

 

チューリップ

 

 

このブログを書くにあたって、あらためて、いわさきちひろ美術館のウェブサイトを覗いて見たところ。

 

なんとガーン緊急事態宣言の影響で休館とのことでした。

 

いわさきちひろの絵は、こんな時だからこそ、こんな、閉塞的で人と人とのつながりが途切れがちな今だからこそ、必要な「世界」なのに。

 

一人ひとりが、自分にとって大切なことはなにか自分のこの手に取り戻すこと、自分に寄り添ってみること、それを助けて促してくれる絵たちなのに。

 

それができないことは、おそろしいことだと私は思います。

それは「生きている」けど、「生きている」ことにならない。

 

でも多分、今、美術館に限らず、こうした役割を担う、図書館でも、演劇でも、もっと広げて食事をすることでも、あちこちで、同じことが起きているのですよね。

 

 

心をうごかすこと。

感動にふるえること。

その自分をまた感じること。

それがまた、この自分を作り替えていく。

 

その新陳代謝を止めるようなことが起こっている。

今は、そんな社会なのだとよく自覚して、注意しておこう。そう感じました。

 

 

ちょうちょ

 

 

 

さて。いわさきちひろ美術館があるのは。

上井草駅、なのです。

 

昨日の感動のサンドイッチ専門店「カリーナ」は、その時に見つけたのでした照れ


 

 

 

ガーベラ

 

 

 

洗われたあとに残るのは、

 

ほんとうのわたし、

 

この、「にっこり」。

 

そのことも、絵をとおして、教えてくれた

 

いわさきちひろ さん。

 

 

ガーベラ

 

 

ありがとうございます

 

 

 

 

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