下着ドロボウの記録

実家住まいの中高生のころ、
数回下着を盗まれたことがある。

なぜなら、母が外に下着を干していたからである。
しかも夜通し。
よそのことを知らない ウブなころはそういうものなのかな、
と思っていたが、
自分が一人暮らしして洗濯自分でするようになったら、
アレは「盗んでください♪」つってるようなもんだったなー、
と母の無謀にがっくりときた。

母というのが見えないところに金は使うなという人で、
ねまきや下着というのはめったに買ってもらえなかった。
それこそ穴が開いても
「他人には見えないから、いいじゃないの！」
と古いものを着せられていた。

お金がないわけでもなくて（あんまりないんだけど）
２０数万円のソファーとか、５０万円のシルクスクリーン
とかはローンで買うのに子供の下着は買ってくれない、
不思議なうちであった。

数回盗まれたというのは、修学旅行とかで他人に
下着を見られるかもしらんという時になると、母が
仕方なくスーパーに毛の生えたようなところで下着を
買ってくれるのであった。

しかし、そのたびに「着る前に」洗って外に干すので、
毎度毎度盗まれてしまうのであった。
一度も私は着ていないのに。

新しい下着ばかり盗まれてしまう状況に、母は

「下着ドロは絶対女よ。
男だったら、女の下着なんてなんでも
よいはずだもの。
むしろダシがきいた古いものを盗るはず。
新しいのばかり選んでるから、
きっと犯人は女だわ！」

などと推理をご近所に披露していて、私もそういうものかな～
と思っていたが、今なら違うと断言出来るね。

いくら下着ドロでも、穴があいてゴムののびたぱんつを
とってくわけないじゃないか！
そりゃゴミですよゴミ！
いくら男だって、獲物が古いか新しいかくらい選ぶだろー！！
と、つくづく思うのでありました。

下着ドロはダメ、ゼッタイ。