よく、「何々よりもマシでしょう」という言葉を聞く。

自分よりも下の状況を見て、
現状に安心を見出そうとする言葉だが、
これがあまり好きではない。

アンネ・フランクの母がよくこの言葉を使ったそうで、
アンネもこれを嫌っていたな。


 
たとえ本当に「○○よりマシ」だとしても、
今の辛い自分は何にも変わっちゃいないのである。



麻薬のように、一時的に「マシかもしれない」自分を夢想して
苦痛をごまかすだけなのだ。


世界一の金持ちになったって、
ハリウッドスターだって
それぞれ悩みは尽きないだろうし、
自分を「もっと可哀想な誰か」と比べても無意味なことである。


みんながそんな発想をしたら、この世で最も
「みじめで可哀想」なひとは、
誰を思えばよいというのだろうか?

「泥でなく星を見よう」