夫・光良の精神科3回目の受診日、当日の朝…
いきなり女部長から電話が来た。
今日、通院にあわせて自分も行くというのだ。
妻・純子はあわをくうが…。
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私は怒り心頭だった。
「なんでいきなり当日の朝に
行くとか電話してくるの?!
せめて前日に、
明日いっしょに行ってもいいかしら?
ってたずねてみるのがスジでしょう?」
「おれに怒ったってしょうがないじゃん。
向こうはしたいことをしてくるだけなんだよ」
「今すぐ会社に電話かけなおして、
私が部長に断ってやるっ!」
「うーん、昼すぎの診察に来る気だったら、
もうすでに会社を出てメンタルクリニックに
向かっていると思うよ…」
断ることすら出来ないのか。
恐怖、おしかけ部長。
「向こうの思惑に、のることないよ。
今日は行くのやめな。
私が一人で精神科行って、
あなたが同席するのは彼にとって負担です!
って部長に言ってくるからさ」
「…やだなあ。
おれは診察受けたいよ。
ドクターと話したいもの」
「鬼縞部長と、同席するのいやでしょ?!
も~、まったく何の用事なんだか!!
電話でどうしてくるのか言ってなかったの?」
「うん、言ってなかった。
それはまあいやだけど、しょうがないし。
おれも上司と思うと断れなかったし。
ドクターと部長と三人で面談して、
おれはこうしているのがすごくつらいんですが
部長はいったい何の用なんですか、
ってきいてみるよ」
診察当日の朝いきなり電話よこして、
何の用事で来るのかも言わない。
私を面談に呼び出すときも、
そうだった。
書類を渡すだけなのに、とにかく来い、
用件は会わなければ話せないと言って
私は胃を痛めたものだ。
そういう部長の「言わないクセ」が、
私や光良をどんなに不安にさせているのか
部長はご存知ないんだろうか。
それとも、知っててプレッシャーをかけて
いるんだろうか。
どちらにしても、困るし腹たつし恐ろしい。
「だから、あなたがそんな目に遭うことないよ!
向こうのわがままなんだから!
あなたは今日休んで、部長が来ない別の日に
予約取り直せばいいよ」
「うーん、それはいやだ。
おれは今日診察を受けるつもりだったし。
何で部長のために診察日を変えなきゃなんないの、
って思うし、それに今逃げたって部長は追ってくるよ。
家まで来ようかって言う人だもん。
逃げても同じだから、おれが今日行くよ」
「私がかくまうから、逃げて逃げて逃げまくる
わけにはいかないの?!」
「…無理、だろうなあ…」
部長が。彼が心身の調子を崩す原因となった、
ストレスの元凶である部長が。
アポなしで当日いきなり、精神科診察に来るなんて…。
暴挙である。
私はテンパって、泣きそうになりながら、
消原メンタルクリニックの電話番号をダイヤルした…(つづく)