ストレスでダウンした夫・光良。彼の会社のいじわる鬼縞部長に
呼び出され、よめしゅうとめ連合で出かけた。
お義母さんとは、結婚を反対されてからなさぬ仲だった
妻・純子だが、光良のため嫁姑二人は手をむすんだ…。
このシリーズは微妙な記述を服務ため、たてまえフィクションと
なっています。記事一覧はこちら↓
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さて、鬼縞部長だが…
妻である私が、保護者として会社にうかがうと返事したのに、
部下にして寝込んでいる光良本人が、親にはこの件を言わないでほしいと
たのんだにもかかわらず、
勝手に光良の実家に彼が精神科通院しているとバラしてしまった人だ。
電話では、会わないといけない用件があって、
その用件が何かは会わなければ話せない
などと怒鳴っていたが、
実際に会ってみれば用件は診断書を渡すだけ。
最初から、診断書に記入してほしいので、手渡ししたいと電話で言えば
いいではないか。なぜに鬼縞部長は、そんな思わせぶりなのか。
用件って何なのか、私も光良もここ数日さんざん悩み苦しんだというのに。
鬼縞部長って、私の想像では、
サッチー
(たとえ古いかなぁ)みたいな迫力オバサンだと思っていたのだけど。
電話ではあんなに高圧的で鼻息が荒かったのに、
実際に会ったら手はふるえてるし声は裏返っているし、
笑顔はひきつっているしで腰の低いフツーの年配女性だった。
なんで電話ではあんなにヒスってたんだ??
鬼縞部長、なにを考えているのか、まったくわからない。
電話口での横柄な態度がウソのように腰の低い
鬼縞部長。
嫁しゅうとめがワンセットで来たから、
驚いて緊張しているのかなあ?まさかね…
よくよく話を聞いてみると、光良の勤めている会社では、
1年にとれる有給休暇は20日までという決まりらしい。
あと7日でそれが消化されてしまい、
また21日以上の休暇をとった社員がいると、
本社から上司が叱責されるので、そのため早く医者の診断書を
とって病欠にしたいのだとか。
…いや、気持ちはわからなくは、ないですよ?
出世にひびくことだし、部下が休みすぎるといって
本社から起こられたくは、ないでしょうね。
会社ってそういうものでしょうけれど、
あんだけ電話でせかしたり脅したりしたのって、全部
あなたが本社から怒られたくなかっただけなんですね?!
鬼縞部長!あなたの都合だったんですね!
私は彼の病状がそんなに重くはないと信じていたから、
なんとか胃の痛みに耐えてここまで来ましたけど、
それって心をいためた社員の家族に対して、
あまりに思いやりのない態度ではないでしょうか。
私はそう思った。
今日明日切れるのではなく、まだ1週間程度の有休猶予があるのに。
万一休暇が過ぎてはいかんと、部長はあせっていたわけだ。
もうなんなんだろう…
休暇の日数のこととかも電話で言えばいいことじゃん。
なのに、会わなければ話せない用件がありますとか
言うから、私も光良も毎日ずっと不安だったんじゃん…。
私、会社に勤めたことないし、これらの用事を電話で
話せない理由がカイモクわかりません。
だが、彼が復職希望であるから、鬼縞部長には気を遣わないと
いけない…。はっきりとそう言う勇気は、私にはなかった。
彼が戻ったとき、またこの女部長の下で働くことになるからだ。
私が部長にイヤミを言ったら、またそれが彼へおかえしされそうで、怖い。
変な話だと思うが彼の会社は、よほどのことでもなければ異動をさせないのだ。
そこでは労組カタチだけで、機能していないと聞く。
だから、復職したらまた鬼縞部長のいる銀山支店に光良は戻ることになる。
精神科の実話例を読んでも、上司とのあつれきでストレスを受けた場合は、
部署を変えたり別の支店へ異動したりさせるとよいって書いてあるのに、
彼の会社ではそれはできない。
異動して1年で出ることは禁じられているのである。
規則として、社則にそう書いてあるのではなく、
現場の伝統・不文律なのだとか。
そして銀山支店は小さな支店だから、部署を変えるもなにも、ひとつしかない。
絶望だ。
会社人間ではない私には理解できないしばからしいとさえ思うが、
現実そうなのだから、仕方ないとしか言いようがない…。
お義母さんの手前、あまり過激なことを言うわけにもいかないし。
たとえば、あなたは強くて正しいんでしょうね、
でもみんながあなたのように頑強なわけではないのですよ!
とか、
あなたは銀山支店の部長様かもしれないけれど、
私はあなたの部下ではありませんから、
あなたから恫喝されるおぼえはありません!
とか。
会社を病休する場合の書類を一式もらって、用事は済んだ。
そしたら私が家にいる時間を部長にきかれる。
なぜかと言うと、
光良は精神を病んでいて、
彼とは話してもしょうがないから、
まともな家族と手続きの話をしたい
のだそうである。
…光良って、ヒトとの会話が
成り立たないほど病んでいると
鬼縞部長に思われてんですね。
これには、お義母さんがあわてて、そんなにひどくありません!
とキッパリ否定。私もそこはお義母さんにまかせた!とばかりに
横で相づちをうっていた。
帰ろうとしたところ、お義母さんからきつい言葉のパンチが飛んだ。
…私に。(つづく)