これは私が研修医だったころのおはなし…
無事眼科への入局試験をパスし、
研修医生活をおくる前に、大学側からオリエンテーションがあった。
それによると、
眼科医局の夏休みは10日間。
ふうん、けっこうあるのね…
そう思いつつ怒涛の勤務に突入し、はや半年。
真夏まっさかり、
土日祝もない研修医たちに
ようやく夏休みがやってきた。
ばんざーい!!
10日間ものお休みだ。
なにしようかな。
ある研修医は旅行がしたいと言い、
ある研修医は久しぶりに里帰りしたいとつぶやき、
また、ある研修医は来るべき病棟研修生活にそなえ、
勉強にはげんでおくべきだと述べた。
でも、10日間もお休みとってしまったら、
病院はどうなってしまうの…?
一抹の不安がよぎったが、みな研修医になって
初めての夏休みであるし、
楽しいこと中心に計画をたてていた。
現実逃避だったと言ってもいい。
実際は…
そう、甘くはなかった。
ふつうの企業などがそうであるように、
お休みはかぶらないよう分散してとることになっていた。
まあ当然といえば当然だが…。
10日間ぶっとおしでバカンスなどは、夢の夢…。
二年目研修医から勤務表がまわってきたが、
3日以上連続した休みをとれるのは二年目まで。
一年目研修医は、二年目の先輩がまとめてとった休みの
間をぬうようにして、
ぽつぽつと虫食いのように
とびとびのお休みを選び取るのだった。
これまた、誰が最初に勤務表に休みを書き込むかで、
10人の新米研修医たちが
壮絶なジャンケンバトルを
くりひろげたのは言うまでもない。
しかも、
10日間といわれていたはずのお休みは、
あわせて7日間になっていたのだった。
うそ!!
私、オリエンテーションで
夏休みは10日って聞いたよ!
私も!
覚えてるよ10日って!!
それを楽しみにして
きたんだから!!
研修医たちは不満の声をあげた。
オリエンでもらったプリントを保管してあるものもちのよい
研修医もいて、そこには確かに夏休みは10日と書いてあった。
だが、
上の先生方に夏休みのことで抗議する勇気…蛮勇のある研修医は
ひとりもおらず、
(だいたい二年目の研修医も従ってるわけだし)
文句を言って、もし休みがもっと少なくなってしまったら
困る。
そんなわけで、
休みはなぜか予告より3日間減ってしまっていたのだった…
オリエンで「夏休みは1週間」って言ってくれれば、
むだに期待しないのにねえK大さん?!
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