残酷な天使のテーゼ★医学生体育会男ｖｓオタク男

入部希望者激減のアメフト部、期待の新星は…

太っ腹で、メガネくんであった。

勧誘二次会、彼と一緒に勧誘担当の先輩はカラオケへ。

すると先輩よりも先に、太めでメガネな彼は

「ぼく、この歌好きなんです」

と高らかにある曲を歌いだしたのである…。

それは…

残酷な天使のテーゼ

そう、アニメ、

新世紀エヴァンゲリオンの歌

であった。

この男、オタクだ。

体育会とは相容れぬ存在、

スポーツマンと対極にある存在、それがオタク。

よりによって唯一の新入部員候補がオタクだなんて

…おわってる。

勧誘の彼は絶望しかけた。

でも、ここであきらめたらゼロだ。

勧誘担当の彼は、腹をくくった。

オタクでも、

新入部員０よりはいい。

オタクでもいい、

たくましく育ってほしい。

そうだよ！

この腹肉を、

脂肪をすべて

筋肉に変えれば

じゅうぶん戦力

としてイケるじゃないか！

超ポジティブ・シンキング！

勧誘担当の彼は、

太っ腹な彼がアニソンをごキゲンに歌っている間、

彼のための脂肪燃焼筋肉増強プログラムを

頭の中で組んでいたという…。

その後、私は研修医生活に突入したため

彼らがどうなったのか、

脂肪は筋肉に置き換わったのかがは不明なままである…。

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