国公立のH大、C大と私立K大二次試験では面接があった。
受験面接マニュアル本も多々出ているけれど、そんなことも
知らぬまま受けたらひどい目に遭う。
面接官複数と学生1の方が、学生複数よりもかえってのんびり
したような気がする。


H大:今は昔、の話なので体制は変わっているだろうけど、
私の現役受験生当時は前期後期とも面接があった。
前期は私の内申書が良かったらしく、ニコニコ和やかなムードで
始まったのだが、
「趣味は?」
ときかれ「読書です。」と答えてしまったところから、事態は
暗転する。

「最近読んだ本はなに?」
ときかれ、「あ…脳死の本です」とバカ正直に自ら地雷を踏んで
しまったのだ。当時、脳死は認められておらず、議論百出の
熱いテーマなので実は脳死の本って面接できかれるかも~
と急いで間に合わせに読んだだけだったのである。
なのに相手は専門家、付け焼き刃の学生なんて知識でかなう
はずもなく、慌ててあせって言ってはいけないことを言ってしまう。
「で、君は脳死をどう思うの」
ときかれて「新しい命が助かることは素晴らしいと思っています」
などと本音を答えてしまったのである。 
この答が正しいとか誤りとか言う前に、今思えば不正確な知識しか
持たぬたかが学生の部分で、政府が議論中の脳死をいちはやく
認めるかのような不用意な発言をする立場には無かった、
のだろう。

そこで面接は打ち切られ、当然のごとく不合格になったのだった。

同じ大学の後期は面接と小論文であった。
面接がハードで、学生同士決まったテーマについて議論を
たたかわせるというもの。
それをジッと見つめる面接官たち。ムードははりつめる。
テーマがまた、
「あと1年で人類が全て失明するとしたら医療はどうなるか」
というSFちっくなもので、ハリやあんまなどになっっていくだろうと
現実的な見方をする皆の前で、私はひとり
「1年でブラインドでも手術補助してくれるマシンを
開発すればどうか」(←漫画「ブラック・ジャックの」読み過ぎ)
などとこれまた夢見がちな大演説をしてしまい、またまた不合格。
夢見る少女なんて、いらないんだよね大学には。
そして浪人することになったのだった。