つづきです

(昨日のブログ読んでからこちらをお読みください)

 

 

それから数週間して、

 

フランが自分の部屋で奇声を発するのを

 

ぼくは耳にしました。

 

どうしたんだろう? 

 

と思っていると、

 

顔を赤く上気させながら

 

フランがぼくの部屋に駆け込んで来ました。

 

 

“ I got itビックリマーク I got itビックリマーク 

 

大げさにわめきながらの登場に

 

ぼくが面くらっていると

 

“JOY “

 

フランは明瞭な発音で云いました。

 

“What? “

“JOY. That’s your nameビックリマーク  My son. “

“JOY?  My name? “

 

 

フランは名前の由来を説明してくれました。

 

初めてフランとぼくがランチを共にした日。

 

フランがぼくを当時の下宿先まで車で送ってくれたとき、

 

ぼくらはアメリカ式にお別れのハグをしました。

 

そして、そのときぼくは

 

自分の感謝の気持ちをこう云って伝えようとしました。

 

“Thank you for your joy. ”

 

フランはハグしていた腕を解いて

ぼくの顔をマジマジと見ました。

 

「どこでそんな英語を覚えたの? (実際は英語で)」

 

「え? 気持ちを英語にしてみたんだけど、変でした?」

 

アメリカに渡って間もなかったぼくの英語は

まだ文法的にも拙く、

単語力も心細い粗末なものでした。

 

さきほどランチを食べていた間も、

フランは何度もぼくの英語を直してくれていました。

 

ぼくはまた間違ってしまった

と恥ずかしくなるのも当然です。

 

 

「いいえ、違うの。

ただ、そんな素敵なお礼の言葉を

私は今まで耳にしたことがなかったのよ」

 

 

フランは最大の笑顔でぼくの英語を褒めてくれたのです。

 

自分の英語レベルが低いのは充分わかっていましたが、

 

それでもぼくは英会話の本に載っているような

 

実用フレーズからのそのまま引用は、絶対にしない

 

と決めていました。

 

文法的には正しいかもしれないけれど

 

ぼくのあこがれるハリウッド映画の誰も

 

英会話本に載っているような文章を口にしてはいません。

 

ぼくにとって英語をしゃべるとは

 

ズバリに映画のように・・・のイメージしかないので

 

正しいけど、面白味に欠ける英語はダメなのです。

 

この時ばかりは、ぼくのそうしたポリシーが功を奏したのです。

 

フランはもう一度ぼくをハグしてくれました。

 

“Thank you so much !  You are joy. ”

 

そのとき今度はフランがぼくにそう云ってくれました。

 

 

(私なりに、この日本の青年の力になってあげよう)

 

フランはこのとき密かに心に決めたのだそうです。

 

そして、それを想い出したのが

 

奇声を発した瞬間だったというわけです。

 

 

 

JOY…。

 

ぼくの名前はJOY…。

 

 

不思議な感じでした。

 

でも、

 

Michaelのときに感じた違和感、居心地の悪さは

 

この JOY にはありませんでした。

 

 

「あなたはいつも楽しむことを何よりも一番にしている。

人を楽しませること。そして、自分が楽しむことも。

JOY以外にあなたの名前はあり得ないと思うわ」

 

その日から、フランはぼくをJOYと呼んでくれました。

 

”My name is JOY.” 

 

そして、ぼくもあいさつをするときには、

JOYと名乗るようになりました。

 

 

ぼくはエンターテイメントのステージに立つときや、

大勢の前で講演をするとき、

いつもあえて自分を緊張させます。

 

プレッシャーをかけ、

緊張感が高いほうが潜在意識が働くのを知っているからです。

 

その緊張感がある程度高まったあたりで

ぼくはある儀式を自分にします。

 

今、天国にいるフランに話しかけるんです。

 

「フラン、ぼくはいまからステージに立つよ。

成功を見守っていてね。

あなたがくれたJOYという名に恥じないよう

ぼくはお客さんたちと楽しい時間を過ごしてくるから。

ぼくがJOYでいるかぎり、

これからの2時間をぼくらは楽しめるよね。

そうでしょ?」

 

ぼくは静かに数秒間、待ちます。

 

心の中にフランの存在を感じるのを。

 

フランの存在を感じられると、

ぼくのセルフイメージはグンと高まって

 

楽しむことの能力みたいなものが

一気に盛り上がってくるのがわかるんです。

 

怖いものなんて何もない心の感覚。

 

そんなセルフイメージと

高まった緊張感が混ざりあうとき

 

ぼくは自分に与えられた名に恥じない

ジョイ石井としての最高の状態になれるんです。

 

 

 

グラサン

 

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