そういえば、普段滅多に見ないテレビをタイのホテルで見ていた。
NHKが流れているチャンネルがあったんだ。
内容は、安倍さんの総理降板。
しかし、なんとも情けないねぇ・・・。
国のトップが辞任するというニュースにしては、なんだか幼稚すぎて。
ボクはひとりで憤慨していたよ。願わくば、このニュースが世界に流れなければいいと願った。
残念ながら英字新聞にも、テレビの英語放送でも安倍さんのことを取り上げていたけどね。
新聞なんかは、思ったよりも小さく取り上げていたから、反対に心配になってしまった。

もとはサムライの国だよ、ボクらの日本は。
そして、総理大臣とは、この国の棟梁だよ。
なんかもう少し、スッキリ感が欲しいよね。男の去り際って、攻めているときよりも大切だと思う。
新聞にも書いてあったけど、安倍さんは、今はやりのKYだって。
K空気、Y読めない人。
空気の読めない総理大臣。これって、国民の気持ちを読めないということでしょ。
国民の気持ちを反映させるためにやっている選挙。その参院選の結果は誰が見ても明らかだったのに、無視されるわけだよ。なんたってKYだもん。
もう安倍さんの情けなさは論外として、ここは、安倍さんだけを責めて終わってしまってはいけない。
安倍さんを党首に選んでいた自民党の責任。
KYの安倍さんをそのままうやむやに許してしまった世論。
そんな政界を叩ききれないジャーナリズム。
そして、選挙に行こうともしなかった人たち。
かなりまずいよ、今の日本は。
テレビ見ていて腹立たしかったのは、「安倍さん、まわりに苛められてかわいそう。疲れた顔してるものね」などと同情していた街頭インタビュー。
政治を知らない無責任な若者が、云っていたわけではない。見識あるはずの大人が云っていた言葉だ。なんでこんなに他人事みたいに感じているんだろう。疲れているみたいだからかわいそうね、なんて云えちゃうんだろう? 政治がしっかりしていないせいで、年金をもらえなくなるお年寄りが近い将来現れるのだよ。若者たちの未来は暗く閉ざされたままなのだよ。総理大臣は、楽ではない。みんなから責められながらも、確固たる志を持って国を引っ張っていくものだ。疲れるのは、当たり前でしょう。それが政治家だし、国の棟梁の総理大臣だ。
「一度は突っ張って続投をと思ったのだけど、思っていた以上に大変だったので、やっぱりやめます」
と安倍さんは云っているわけだ。こんな弱い人が総理大臣をつとめられるわけが無い。

弱さは、それ自体が決して悪ではないと思う。
ボクは、そんな弱さをもった人間という生き物が愛おしい。
だからカウンセラーをしていられるのだとも思う。
でも話は、一国のトップだ。トップがダメなら、その下にいる人たちは、すべて路頭に迷う事になる。いま日本の国民は、路頭に迷うしかないのだ。
「美しい日本」などというつかみ所の無いイメージを掲げられ、けむに巻かれただけでは終わらず、それを提唱していた本人には途中で現実逃避されてしまった。いまボクらには、国として目指す理想の姿が無くなってしまった。ヴィジョンが無く、ただ日々が機能し、過ぎているだけの国。
安倍さんが、「美しい日本」を本気で想い描いていたのなら、きっとそのイメージはもう少し周りの人に伝わり、理解者も少しずつ増えていったことだろうと思う。
確かに政治は複雑だ。でも、国を想う想いが本物なら、ボクら末端の人間にももう少し伝わっていても良かったはずだ。その辺がボクには、納得いかないんだ。
それと、日本の政治って、本当にこんなにも総理大臣ひとりの気まぐれや弱さで、右往左往してしまうものなのだろうか? インタビューを受けていた全員が、今回のことを寝耳に水だと云っていたが、本当だろうか? 誰も安倍さんがこうなる前に、支えるなり、退けるなり、正すなり、できなかったんだろうか? 頭が良くて、弁が立ち、志のある優秀な人たちが、政治家になっているのではなかったのか?
すごーく基本の部分で、ボクは首を傾げてしまう。
いずれにしてもまず、ボクら国民の政治に対する厳しい目と意識をもっと高めていかないとね。
誰だって、面倒くさい政治のことは、誰かに任せておいて、平和な国で安穏と暮らしていたいというのが本音なんだと思う。少なくとも、ボクはそう思っている。ズルいけどね。
あなたに一票入れたんだから、いい国にしてくれよ。と、それぞれの立場で思っている。
でもさ、間違いなく、今のままではいけないよ。この国が良くなっても、悪くなっても、どこか自分には関係ないという感覚で生きていくことになる。
つねに受け身のまま、与えられた環境の中で生きていくだけになってしまうよ。

・・・なんだか、珍しく政治で熱くなってしまった。
安倍さんのせいだ。