【2024年本日読了した本 その11】現場から考える 国語教育が危ない! | 美しく、素敵に、幸せに

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2024年本日読了した本 その11

現場から考える 国語教育が危ない!──「実用重視」と「読解力」 (岩波ブックレット 1092) 

村上 慎一 (著), 伊藤 氏貴 (著)

https://amzn.asia/d/06nyhs53


人材育成領域の先輩が紹介されていて興味を持ち、手に取った一冊


2022年以降の新課程国語で様変わりした高校国語教育の問題点を簡潔に述べたブックレット


「考察が甘い」という書評が見受けられますが、たった70ページほどで簡潔にまとめられていることから、新課程に詳しくない自分にとってはサクッと現状把握ができ、とてもありがたい

 

部下指導や若手社員の人材開発等において、読解力、言語化能力、他者理解能力に課題を感じている方、必読の書

 

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私たちは、広く世界を認識するための言葉を国語によって学んできた(P3)

 

国語では、内界や外界への認識を深めるために文章を読む。それは教養の基礎ともなる。すぐれた文章を読むことには大きな意味がある(P4)

 

評論文を読み、世界のいろいろな出来事や問題を知り、テーマに対する様々な意見を知り、自己の世界認識を深め、自分の意見を持つ。小説などの文学的な文章を読み、人間の心、内なる小宇宙の玄妙さに思いを馳せ、自己理解や他者理解、さらには人間理解につなげる(P10)

 

真の読解をいいかげんにしておいて、他者との対話も何もあったものではない(P11)

 

考える力は考えることによってしか鍛えられない(P19)

 

文章が的確に書けない生徒・学生は、課題の読み取りの方に問題がある場合が圧倒的に多い(P17)

 

そもそも「主体性」が評価されることを生徒の側が分かっている時点で、主体的とは言えないのではないか。教員に評価されるためになんらかの行動を起こすということは、受動的としか言えないのではないか(P31)

 

言葉は一義的にはコミュニケーションのためのものではない。世界を概念化して認識するためのものである(P41)

 

SNS内の自分の居心地のいい言語空間に閉じ籠るのでなく、多様性を認めつつ世界を広げていくためには、共感できない他者をどうやって論理的に理解するかが重要になってくる。文学作品を通じて、一見理解しがたい他者の言動にも、実は論理が内在していることを学ぶことがその助けになる(P43)

 

最も大事なことは、こちらの気持ちを正しく相手に汲んでもらうことだ。「履歴書」というきわめて「実用」的な文書も、究極的にはコミュニケーションの道具であり、そのために必要なのは、これがどう読まれるかという、相手の立場に立つ想像力なのだ(P49)

 

#現場から考える国語教育が危ない #読解力