【2024年本日読了した本 その6】「人の器」を測るとはどういうことか | 美しく、素敵に、幸せに

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2024年本日読了した本 その6

 

「人の器」を測るとはどういうことか 成人発達理論における実践的測定手法

オットー・ラスキー (著), 加藤 洋平 (訳), 中土井 僚 (監訳)

 

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成人発達理論の思想的枠組みを理解するための土台となるだけでなく、それを実際の現場で活かしていくための道筋が示された一冊

 

人は往々に経験していないことは想像も理解もできないことから、「この本の内容全てを一言一句理解しよう」と吟味するように読むのには向かないと思う

都度、自分に必要と思う部分や目に留まった部分を読み進めることを何度も繰り返すうちに、成人発達理論の全体像の解像度が上がって腑に落ちることが増えていく、そういう一冊だと思う

 

ちなみに「発達段階3から4にいる実務家が、できるだけ早く、属人的要素から距離を測れるように支援することが本書の主要なゴール」とのことです

 

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コンサルタントの主な役割はクライアントの問題に対して解決策を提供することではなく、問題を生み出しているクライアント自身の思考プロセスをクライアントが理解することを支援すること(P19)

 

結局のところ、クライアントが抱える問題はクライアントの思考プロセスの中で生じている(P21)

 

自分自身で犠牲を払い、自らそこに到達するようにしなければ、発達段階4には至らない(P41)

 

プロフェショナルと称される大抵の職業には少なくとも発達段階4の成熟度合いが要求されていますが、多くのプロフェッショナルはこの段階に到達していない(P41)

 

明白なことは、自己著述段階に至っていないコーチは他者を発達段階4へ向かう旅へと支援することなどできない(P42)

 

社会的・感情的発達と認知的発達は不可分(P43)

 

クライアントの支援を行う際に重要になるのは、それら(傾聴、共感等)のスキル・能力というよりも、コンサルタント自身の発達の度合い(心の成熟度)(P78)

 

単なる教育以上に、個人的な苦痛、例えば、人間関係の決裂、裏切り、重病、経済的な危機などの方が発達を促す影響力は大きい(P91)

 

全人口の90%以上の人々は一生をかけても、真のリーダーにふさわしい発達段階5に到達することはありえません(P102)

 

自分の意識の重心を知らないコンサルタント(コーチ)がフィードバックを行うことは危険(P185)

 

一歩成長することは往々にして自己喪失感を伴う(P191)

 

低次の発達段階から移行する当初は非常に過酷な経験を伴い、次の発達段階へ移行するには決然とした意志が必要になります。そのため、こうした重要な移行を経験する際には、他者の支援が必要であり、移行直後に置いても他者の支援が必要(P191)

 

発達段階2から3にいた時は、取り巻く社会が私たちを支援してくれるでしょう。仮に私たちが社会の慣習を嫌っていたとしても、人々を慣習に従わせる社会的な強制機能が社会には存在します。しかし発達段階3から4の人々には当てはまりません。また、発達段階4から5にいる人にも当然ながら当てはまりません。残念ながら、私たちの社会には発達段階3を離れた後の社会的な支援環境が一切、あるいはほとんど存在しないのです(P191)

 

これまで内省の対象とできなかったものを客体化し、次の発達段階へ成長していく(P192)

 

発達段階2から3における最も重要な点は他者の視点を内面化すること(P194)

 

発達段階4へ到達することによって、自分で自分を律することが可能になり、他者を律することにもつながります(P237)

 

意識の焦点が、内面化された他者や自分の小さなパーソナリティに当てられるのではなく、意識の流れそのものに置かれる時にmクライアントは「聴いてもらっている」というよりむしろ「理解してもらっている」という感覚になるのです(P267)

 

クライアントはプロセスコンサルタントなど第三者の力を借りて、自分がどのように問題を生み出しているのか・認識しているのかということを理解して初めて、現在の自分の発達段階について理解を深めることができます(P271)

 

発達測定インタビューは他者の発達支援を行うだけではなく、インタビュアー自身の発達も促すという相互発達的な要素も持っています(P273)

 

「なぜ?」と問う質問や「はい/いいえ」形式の質問はクライアントの思考の流れを遮ってしまう(P277)

 

音楽において音の高低を聞き分けるように、インタビュアーはクライアントの発達段階の高低を聞き分ける調整を行いながらクライアントの話に意識を集中させます(P277)

 

認知的コーチングを含む慣習的コーチングは、解釈と思考の活性化を早急に行ってしまう傾向にあるため、クライアントの思考の流れに焦点を当て続けることができないだけでなく、クライアントが「どういった人間なのか」ということを十分に理解できていない可能性があります(P280)

 

常に自分の仮説を疑う目を持ちながら、仮説・検証のサイクルを回していかなければならない(P285)

 

インタビュアーの正確な発達仮説がなければ、クライアントの発達段階を見極める情報を集めることが困難になる(P355)

 

自分の信念を一端脇に置くこと、あるいは仮説検証能力がなければ、批判的に物事を考えることはできない(P374)

 

自己著述的な自己を喪失すること(流れの中に生きること)の意味:自己の歴史と一体化している無意識的な自己が揺らぎ始める。合理的な知識だけでなく、「魂」「精神」などがもたらす叡智を抱擁し始める。自分にとっての「リアル」となる対象世界が拡大し、多様な要素を帯び始める(P378)

 

発達段階5の人々が組織において醸成する気風は、非常にオープンであり、探求を支援し、合理的な限界を認識しながらリスクを取ることを後押しするような特徴を持っています。彼らは他者および組織全体を発展させること、そして持続可能な成長を奨励するような文化を醸成することができます(P379)

 

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