コロナ以前に中国がビザ免除を認めていたのはシンガポール、ブルネイ、日本の3カ国のみで、シンガポールとブルネイについてはビザ免除が再開されたが、日本だけ停止されたままになっている。
停止されたままの理由ははっきり説明されていないが、日中関係の悪化が原因なら思い当たるフシは沢山ありすぎるくらいだろう。
このままずっと停止されたままの可能性もかなりあるんじゃないかと思う。
中国にとっては、もう日本の顔色なんて伺う必要はないということなのかもしれない。
別に中国なんて興味ないし行く価値もないし!という人もいるだろうが、仕事で渡航する人はかなり多かったはずで、そういう人たちには相当に大変なことになったと思う。
これはつまり、日本人が中国に対して持っていた特権がなくなったということなのだ。
振り返れば中国と日本はずっと対立していたわけではなくて、中国が改革開放に舵を切った80年代は日本も相当の援助をした。
天安門事件の時も、西側諸国は一斉に経済制裁したが、日本は確かそれに加わらなかったし、そうしたことに対する中国の感謝の思いもあったはずだ。
ノービザ特権はそういう友好を積み上げてきた歴史的な遺産だったはずなんだが、それがなくなってしまったのだ。
これは外交上の失敗と言ってもいいと思うのだが、そのようにマスコミは報じないよね。
中国の入国は年々厳しくなっているんだよな。
僕が世界一周をした2013年は中国の観光ビザを取るのはけっこう簡単だったようで、確か3ヶ月だったかな?
陸路で中国を抜けてきた人と中央アジアでよく会ったものだった。
それが僕が中国を旅した2019年には観光ビザが厳しくなっていた。
確か旅行計画書の作成やインビテーションも必要だったかな?
現行のパスポート以外に失効したものの提出も求められ、しかもそれで得られるのは一ヶ月。
結局断念してノービザ15日で国境を5度出たり入ったりして三ヶ月旅したが、出入国のスタンプが増えるたびに国境での質問が増えていったような気がする。
国内移動の検問所でパスポートの提示を求められたときも、目的は仕事じゃないのか?観光?と怪訝な顔をされたりと、観光客ウェルカムな感じではなかった。
実際北京、上海、西安といった都市を除くと外国人観光客の姿自体少なくて、中国は国を閉ざしていくつもりなのかなと感じたものだ。
まあ、国内観光地は中国人でいっぱいで、需要は満たされているのだから、わざわざ外国人を呼ぶ必要はないのかもしれない。
外国人観光客を受け入れなくなる一方、中国人観光客は世界中に拡散している。
日本にもたくさん来ているし、もはや中国人なしに観光業は成立しないのかもしれない。
日本も昔はそうだった。国内の観光業は日本人だけで回っていたし、その余勢をかって海外にも日本人観光客は進出していた。
日本人のビザ免除が停止され、反面中国人観光客が日本に押し寄せるという非対称な構図は、国同士の力関係を如実に表しているよね。
観光立国なんて言ってるけど、観光で本当に豊かになった国があるだろうか?タイなんて外国人だらけだけど、未だにぱっとしないままだし、オーバーツーリズムの問題もある。
観光立国は豊かじゃない国の苦肉の策だということを忘れちゃいけないと思うよ。
11/27追記
11/24から6カ国のビザ免除が始まったようですね。
日本は相変わらず除外されたまま。
完全に外交上の失点でしょうねこれは。