防衛費増額自体に僕は反対ではないのだけど、単に増やせばいいというものではないと思う。

国内の軍需産業に投資する形の増額なら賛成だ。

軍事技術への投資は民間にも生きてくるはずだし、軍需企業が潤えばそこで働く人の雇用や所得も増え、国内経済が潤う助けになる。

ところが増税までして防衛費を増額し、どこに使うかといえば、アメリカから武器を買うのだという。

これは、アメリカに僕たちの税金を献上するということだ。

もうちょっと使途の中身を吟味したほうがいいと思う。

 

 

そもそも中国は軍事的にどれほどの脅威だろうか。

中国は1979年の中越戦争以来対外戦争を起こしておらず、しかもこの時負けている。

だからと言って軍事的に脅威ではないといいたいわけではないが、どちらかというと経済的な脅威のほうが強いように思われる。

一体一路政策、僕が見たラオス北部はまるで中国の植民地のようだったし、経済的に侵食していくのが中国の戦略だろう。

そもそも金で買えるものをわざわざ戦争で力づくで奪ったりしない。

日本でも観光立国の名目でリゾート開発を外資、中国資本に任せ、土地を売り、カジノを作り、観光地を中国人好みに作り替えようとしている。

大阪の黒門市場や東京のアメ横はもう半分以上中国化している。

国内経済が振るわないから、外国に日本を少しずつ切り売りしているというわけだ。

 

 

台湾海峡で危機が起きるとすれば、それはアメリカの挑発による可能性が高いと思っている。

去年八月のナンシー・ペロシ下院議長の訪台は中国を刺激し、緊張が一気に高まった。

訪台が中国を刺激するのは分かりきった話なので、この場合どちらが先に挑発したかは明らかだと思うのだが、日本のマスコミは中国の脅威のみを煽りアメリカの挑発はスルーである。そしてそれを国民は丸のみし、防衛費増額を許容する下地が醸成された。

 

 

考えてみてほしい。その結果増額された防衛費で誰から何を買うのかを。

 

 

ちょっと考えればわかるはずなのだが、この国には政治家のみならず、国民までもが愛国者、保守の皮をかぶったアメリカの犬だらけなので、アメリカの言うことは疑問を持たずに丸のみするのが国民の務めなわけなんだな。

中国に対する日本人の見方もだいぶバイアスがかっていて、中国のやることはなんでも悪いという「中国=悪」という価値観が根底にあるので、扇動に乗せられやすい。

だからといって別に中国は善ではないが、もっと中立的な見方をしたほうがいい。

でないと最悪、アメリカと中国の代理戦争に日本が巻き込まれる可能性さえありうると僕は思う。