中国人のカラオケと花火の音が鳴り止まない国境の街ボーテンの夜 | まさし特派員の世界一周だより

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人文系旅ブログ。自称特派員という無職に就職した僕が、世界の情報を書くという設定です。勝手にやってろって話です。最近は世界の墓場がマイブーム。


今いるのは、ラオスと中国の国境の街ボーテン。
ホテルで休んでいると、なにか爆竹が鳴り響く音がした。
なんだと思って外を見ると、


なんと花火が上がっていた。
しかも目の前のホテルが、昼の姿からは考えられないくらいにこうこうとライトアップされている。
こりゃどうしたことだい!
昼間のこの街からは想像できない賑わいだ。


昼の同じ景色がこれですよ。
この赤茶けた冴えない景色がこう変わるとは思わなかった。
住民も観光客もたいしていないはずの街なのにどうしたのか。訳が分からん。



おまけに中国人の、この小さな街中に響きそうな大音量のカラオケも鳴り出した。
昼間は単なる何もない建設中の街だと思っていたが、夜は別の顔を見せる。これは泊まってみなきゃ分からなかった。


ホテルで休んでいる場合じゃないと思い、僕は外に出た。


街中はムダに煌々とライトアップされていた。
ラオスのどの街よりも明るいんじゃないか。


夜になると人通りが増えた。
おそらく夜は、この辺で働く建設作業員のオフの時間なのだろう。


怪しげなネオンの店。
カラオケ屋もあるし、女の子がたくさん待機していて、目の前を通るとおばちゃんが手を引く置屋もあった。
この街の規模からすると夜の店の充実度はかなりのもので、というかラオスも中国もこんなに風俗店に開放的な国柄ではないし、これが経済特区で建設中の国境の街というものなのか。やたら開放的な空気と訳のわからんパワーを感じて、とにかく面白い。


超市(中国語のスーパー)の目の前の子供用遊具も、この夜の街に合わせてギラついてんね。
ていうかこれをギラつかせなくてもいいんじゃないかw


この街にあるやたら立派な銀行も、夜はこの通り。


この街一番の高級そうなホテル。
こんなに明かりを灯しているのは、なんとなく、中国の力の誇示のためだという気がしてならない。


翌日日中の街を歩いてみた。


建設作業員が住むプレハブ小屋。
彼らは大部分が出稼ぎの中国人だそうで、この辺の飯屋が四川料理中心なので、その辺りの出身が多いのかもしれない。
彼らにとってこの街は故郷から遠く離れて土にまみれて働く場所で、夜は飲み食い歌い女と遊ぶというシンプルな生活。というかそれが娯楽のないこの場所の唯一の憂さ晴らしならば、昨夜の夜遅くまで続いたドンチャン騒ぎもよくわかる気がした。


中国はここにこんな街を建てるそうだよ!
マジですか?
なにもないラオスにこんな街が維持できるのかなあ。


昆明〜ルアンパバーン〜ビエンチャンの鉄道計画。
ビエンチャンからはタイ国鉄がバンコクまで接続するので、中国はインドシナ半島を縦貫する鉄道を手にすることができる。


建設中のビルに掲げられた「一帯一路」の標語


この街の建設計画を説明するセンターがあった。


中はこんな模型が色々。


クマの肝の粉の店。
というかそれは売っていいものなのか。


この街に不似合いな立派な免税店。


中はこの通り、赤茶けた建設中の街とは別世界。
空調が十分に効いた快適な空間。
ただ客よりも店員の方が多いのが玉にキズ。



なんとなく感じたのが、この街は中国にとってのフロンティアなんだな、ということだった。
中国は国内の開発がかなり進んで、多分少し飽和感が出てるんじゃないかと思うんだけど、その余力をかって国外の開発に進出している。
歴史上、色んな国にとってのフロンティアがあったと思うんだが、例えばアメリカにとっての西部、戦前の日本にとっての満洲なんかがそうだと思うが、この街を見て、ああ、フロンティアとはこういう雰囲気なのかもな、と納得できるものがあった。何もないが、開放的で、エネルギーに満ちている。
こんな建設中の街を見る機会はなかなかないので、とても面白かった。今回の旅で一番記憶に残る街になるかもしれない。


明日には国境を越え、再び中国に入ります。