車内の備品を壊すバカ騒ぎのイカれたフランス人達…マルセイユ行きの列車~第235日 | まさし特派員の世界一周だより

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人文系旅ブログ。自称特派員という無職に就職した僕が、世界の情報を書くという設定です。勝手にやってろって話です。最近は世界の墓場がマイブーム。



ミラノを見終えた僕は、イタリアを出てフランスに行くことにした。

一気に南仏の中心都市、マルセイユまで行ってしまうつもりである。

僕は今回フランスをじっくり見るつもりはなく、スペインに行く道の途中として、南仏を通過するだけのつもりなのだ。






フランス・・・僕にとっては複雑な気持ちのある国。

僕は仏文科だったのでちょっとはフランス語が分かるのだけど、この国を「好き」とは言えないのだ。かといって単純な「嫌い」でもないのだけど。

じゃあなんなの?と言われると長い話、旅行とも関係のない話になってしまうので、今回はしない。

でも僕自身このフランスに対するもやもやした思いをすっきりさせたい気持ちもあるので、別の記事として書くかもしれない。それはあまり需要のない話だし、旅行とも関係のない話。でも僕にとってはもやもやをすっきりさせる機会でもあるし、また、かつての「お勉強」の成果を披露するせっかくの機会なのである。





僕は南仏を二泊くらいで抜けるつもりだ。

もちろん物価が高いからというのもあるけど、この国に僕はウキウキしたものを感じない。

それは別に長期旅行から来る飽きの問題でもない。

僕にとってフランスはそういう国だ。






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早朝ミラノのホステルを出て、朝7時の列車に乗った。
アルベンガという、フランスに近い海岸の街行きの列車である。
窓口でマルセイユ行きの直通の列車はないと言われ、まずはアルベンガに行き、そこで列車を乗り換えてくれと言われたのだ。
ちなみに窓口は英語が通じなかったので僕がフランス語に切り換えると、窓口の人はフランス語が話せたので買うことが出来た。ひさびさにフランス語を使ったのだけど、やればできるじゃんおれ。
ミラノ~アルベンガ 25€





アルベンガには10時少し前に着き、そこで窓口に切符を求めた。
調子に乗ってフランス語で話しかけたのだけど今度は通じず。逆に英語の流暢に話せる人だった。
アルベンガからヴァンティミリアという国境の街まで列車ではなくバスで行き、そこでまた乗り換え、ニースまで行けという。
ニース~マルセイユ間の切符はここでは買えないと言われた。




アルベンガ~ヴァンティミリア(バス)
ヴァンティミリア~ニース 13€




この二枚の切符をもらう。
列車で行くのにここまで乗換えがめんどくさいとは思わなかった・・・
ヨーロッパは列車!と先入観にとらわれていたけど、直通の国際バスもあるはずだよな。そっちの方が面倒がなかった。それにこれならバスの方が安いだろう。それは大変重要だ。


 


電車まで少し時間があったので、海を見に行ってみた。

冬でも日の光が明るいイタリアの海岸。





バスは12時に発車。30分ほどしてヴァンティミリア駅に到着。

のはずだったんだけど・・・


 


ん?どこですかここ?

「ディアノマリナ」という駅だった。

バスのスタッフに聞いたのだけど、OKだ、ここから列車に乗れと言う。

ちょっと意味の分からない乗換えだ。アルベンガからヴァンティミリアまで直で列車でいけるはずなのに。

でも来てしまったものは仕方ないので、ここでヴァンティミリア行きの列車を待った。

 


ディアノマリナ駅前の様子。

ちなみにこのとき、同じバスで隣になったアフガニスタン人の若い男性と少し話をしたりした。

彼は僕の行った国のなかではウズベキスタン人に近い風貌で、彼の方から東洋人である僕に親しみをもったらしく、バスの席を空けてくれたりした。ちなみに英語もフランス語もほとんど話せない彼だった。

彼はカンヌまで行き、そこからパリ行きに乗り換えるのだという。フランスという遠い人種の違う国にいる不安もあったのだろう。日本人とアフガン人がフランスでシンパシーを感じあうというのは、ほほえましいというか、少し気持ちの温かくなる出来事だった。





ディアノマリアからヴァンティミリア着。

 


そしてニース行きの列車へ。
ヴァンティミリアはまだイタリアだけど、ここからはフランス国鉄の列車になるようだった。

車両の文字がフランス語に変わったことに気がつく。




そして1時間もしないうちにニース到着。

パスポートコントロールもないので国境を越えた実感はないけど、ここはもうフランスだ。

一緒に乗っていたアフガン人は少し先のカンヌまで行くので、ここで別れる。

 

そしてニース駅の窓口でマルセイユ行きを買った。
これが大誤算で高かった・・・38€。
ミラノ~マルセイユの移動費がトータルで76€である。日本円で一万以上・・・
LCCも乗れてしまう金額ですね。ヨーロッパは列車!と考えてたけどもっと安くて簡単な方法を調べればよかった。


さてこれがフランス国鉄の車両である。
二階建てになっている車両。何の問題もなく、快適な乗り心地なはずだった・・・
列車は30分遅れの17時到着。マルセイユまでは約三時間の道のりである。




僕が乗り込んだときは、自由席の車両はあまり空席がなく(上の写真は空席多いけど、これはヴァンティミリア発)、僕には席を選ぶ自由が少ししかなかった。
そして空席を見つけたとき、その前からうるさいダンスミュージックが聴こえてくるのが気になった。不安を感じながらも、そのくらいならいいかと思い僕はそこに座ったのだ。
しかしその決定が僕にとっては最悪だった・・・





僕の前に座っていたマルセイユの若者10数人は、フーリガンみたいな奴らだったのだ。
他の乗客の迷惑も考えず大音量でダンスミュージックを流し、それにあわせて奇声を発したり、席やテーブル、天井を叩いたり、床を足でドンドン蹴ったりしている。
彼らはしょっちゅう席を移動し大声で叫び、強い酒をあおっていた。禁煙の車内なのにタバコも吸い放題。使い捨てライターを床に叩きつけ、ボン!という音をさせてゲラゲラ笑っている。傍若無人もここまでくると、馬鹿騒ぎを通り越して暴動に近い有様である。同じ車両の女の子二人に話しかけ、どうなるかと思っていたらその二人も一緒にその暴動に加わるのだから手に負えない。





その車両にはイタリア人のアウトローも乗っていて、彼らと英語で話しているのが僕にも聞こえたのだけど、マルセイユでは上等なコカインが何グラムいくらで手に入るぜとか、コカインよりもヘロインのほうがベターだとか、そんな話を大声でしている。奴らは非常に犯罪に近いということが僕にも分かった。危険である。
奴ら二人は英語での意思疎通がスムーズでないので、フランス語は話せる?と聞き、イタリア人が話せないんだ、と言うと,フランスの方が動詞の活用をイタリアに教えていたのには笑った。それもmangerという動詞を。Je mange, Tu manges, Il mange, nous mangeons・・・





フランス語のmanger(食べる)という動詞は、不規則活用である。発音は「モンジェ」。erの部分が活用するので、nous(私たち。英語のwe)のときは規則通りだとmangons(モンゴン)となるはずなのだが、それだと綺麗でないのでmangeons(マンジョン)と表記し発音するのだ。これはとても重要な活用の例外である。僕も先生から叩き込まれたものだ。
フランスの教育って自由に見えて実は日本以上に詰め込み式で、こうした動詞の活用を子供の頃に徹底的に叩き込まれる。フランス語は動詞の活用が英語などとは比較にならないくらい複雑なので、それは子供にとってもなかなか大変なことに違いない。それは「綺麗なフランス語」を話すためなのだ。そのように、教育によって子供たちは「フランス人になる」。このマルセイユの悪ガキにも、その記憶が脳裏にこびりついているのだろう。
だが、こんな暴動のような状況でそんなことを考えているおれはナンセンスだ。奴らの標的にならないよう、目立たないようにしないと・・・





まったく、奴らのような連中が外国人、とくに僕のような東洋人を好ましく思うわけがないのである。日本人は中国人と間違えられるので、それはなおさら「ヤバイ」のだ。
僕は寝たふりをして、奴らの注意を引かないように気をつけた。僕は声を上げて奴らに注意をしたかったのだけど、人数の差が大きすぎて状況が悪すぎるし、東洋人がしゃしゃり出たら奴らもただでは置かないだろう。だから僕は静かにしていた。目立たないように・・・
幸い奴らは自分たちが騒ぐのに忙しくて、他の乗客に興味はないようだった。






車掌が二度ほど注意に来たけど焼け石に水で、やつらが馬鹿騒ぎをやめることはなかった。
しまいに奴ら、何をし始めたと思います?





車内の備品を破壊し始め、落書きを始めたんですよ!!





ここまで来ると完全にアナーキーな状態である。「北斗の券」のような乱世である。
僕はケンシロウに、奴らを始末して欲しかった。ほんとうに、心から・・・




列車は定刻より1時間も送れた8時半にマルセイユの駅に着いた。

やっとフーリガンから解放されることが出来た。それにしてもこれ以上おれにフランスを嫌わせるなっつうの。

地下鉄に乗り、予約しておいたホステルに向かう。

 


「viex port hotel de ville」駅で降りた。

ここは海沿いの、お台場で言えば海浜公園みたいなところである。

 


海沿いの夜景は流石に綺麗だった。






予約したホステル「Vertigo Viex Port」はそこから歩いて10分もしないところにあった。

レセプションにはフランス語で話しかけ、フランス語で対応してもらう。

せっかくフランス語に来たのだから、せめてフランス語で話すよう努めよう。

ネット予約時は16€だったのだけど、22€請求される。

だけどもういいのだ、疲れているし素直に払った。

明日は少しマルセイユを見た後、カルカソンヌに移動しよう。







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