村上世彰氏会見 (第3回)お金の意味

Q出資者はどのくらいいて、どんなところなの?
「村上ファンド」への出資者は100以上の個人、機関投資家で、6割くらいが米国の大学財団だという。米国の大学や研究機関は資産運用することによって、設備投資をしたり、奨学金を出したりして世界中から優秀な人材を集めているという。村上世彰(よしあき)氏は日本がそういうことをしないのが「悔しい」という。最近は日本の学校法人などにも声をかけていたらしい。米国の大学に籍を置いた経験がある私は、常日頃、日本との環境の差を痛感していただけに、妙に考えさせられた。ここで、会見での質疑応答のやりとりを一つ紹介しよう。
Q ニッポン放送の件でいくら儲けたのか?
A (大きな声で)みなさんはいつもその質問しかしない。だから、マスコミがイヤなんだ。儲けた金額しか取り上げないが、僕は投資先の企業にたくさんの企業価値、株主価値向上の提案をしてきた。みなさんにも私鉄再編やテレビ局の資本のあり方を語ってほしい。
ニッポン放送株式大量取得の背景には、「フジテレビの資本政策を正したかった」といい、阪神電鉄の件は、「なぜ私鉄同士の合併はないのか」疑問に思っていたという。阪神は企業価値の向上の可能性を見つけ、他社との提携が可能と判断したため株式を買ったと述べた。ちなみに、阪急との統合は拙速との見方で、今でも京阪との提携が一番と思っているという。
彼について語る時、「お金」ばかりに目がいくのはなぜだろう?確かに彼は投資家であるから、金儲けをしないといけない。そして、強引な手法で利益を出したことも目に付いた。しかし彼の出資元や出資先をみると、世論の批判対象の「お金」に含有する様々な意味を感じざるを得ない。
なお、「マスコミ嫌い」を公言しつつも、顔見知りの記者数名に語りかけ、名指しされた記者が彼の言葉に筆を止めて頷きながら聞き入る場面もみられた。語り口調は柔らかで、明快。相当な切れ者と推測する。人心掌握術にも長けているのだろう。本来ならマスコミから好かれるような人物である。