2019年2月20日は忘れられない日となりました…。

 

2月18日に西エリアの南側で工事が始まったと聞き、2月20日に現地に行ったところ、西エリアでは数台の重機が急ピッチで造成工事をしていました。

 

2009年~2012年にかけた医療刑務所跡地(国有地)の発掘調査により発見された広大な城野遺跡は、「現地を保存し、遺跡公園(史跡)として整備活用」を求める日本考古学協会や考古学の専門家、私たち市民の切実な要望や願いは叶わず、2018年の東エリアの「ゆめマート城野店」の建築に続き、西エリアも方形周溝墓付近を除く部分が造成工事により破壊されました!

 

とても悲しく、悔しく、後世に申し訳ない気持ちでいっぱいです。

 

私たちの活動は、北九州市が市議会で城野遺跡の現地保存断念を初めて答弁したことに驚いた地元住民が2014年9月に取り組んだ初めての陳情署名から5年目、国が一般競争入札を公示し、城野遺跡が民間への売却手続きに入ることに驚いた地元住民も新たに加わり活動再開した2015年11月から4年目となります。

 

私たちは、2016年3月に一般競争入札で医療刑務所跡地を落札したのが大和ハウス工業(株)であることがわかるとすぐに懇談を申し入れ、翌4月に話し合いました。その後、講演会の開催や陳情署名に何度も取り組みながら、城野遺跡の重要性や私たちの活動を報告し続ける中で、同社は1年以上工事を止め、市の土地買戻しを見守ってきました。

 

2017年2月の4回目の懇談で、大和ハウス工業(株)は「市は買い戻す気はない。いつまでも待てない」「東エリアは商業施設を建築予定」と工事再開を断言し、土壌汚染のボーリング調査を実施しましたが、東エリアの「ゆめマート城野店」の造成工事を始めたのは2018年1月でした。つまり、医療刑務所跡地は、国が大和ハウス工業(株)に売却後2年間も開発されず空き地のままでした。

 

せめて西エリア全域の遺跡公園化に向けて活動を続けてきましたが、北九州市(北橋健司市長)は、専門家や市民の再三再四の要望や願いに耳を傾けず、まるで市民の多くが知らないうちに民間による開発がさっさと進むことを願っているかのようでした。

 

城野遺跡が発見されて10年余り、国有地という有利な条件のもと、発掘調査の莫大な費用(数億円)は国が負担し、北九州市は優遇措置(1/3無償)や等価交換(私有地との交換)で土地を取得でき、遺跡公園として活用すれば国や県からの補助金もありました。城野遺跡は市民のかけがえのない歴史遺産です。城野遺跡が民間に売却され、開発により破壊させないために、なぜ北九州市は全力を尽くさなかったのでしょうか?!

 

足立山をのぞむ丘陵地にまとまって発見された広大な城野遺跡は、北九州市で初めての、古代(原始)の豊かな歴史を学び語り継ぐ本格的な遺跡公園が実現できる絶好のチャンスだったのに…。

 

私たちは小さな市民団体ですが、北九州市の異常な埋蔵文化財の保存活用のあり方を問うためにに、これからも城野遺跡の殆どが破壊されるに至った経緯や原因の追及、市計画の「城野遺跡広場」問題、突然提案された「埋蔵文化財センター」(小倉北区)の八幡市民会館への移設、解体、跡地売却問題などに取り組んでいく予定です。

 

今後とも、ご支援とご協力をお願いします<(_ _)> 

 

※2月22日に城野遺跡の写真を撮っていたら、大和ハウス工業(株)の責任者の方が近づいて来られ、いろいろと話を聞くことができました。「西エリアは、今のところドラッグストア、クリニック、レストランが予定されている」とのことでした。

 

 

●城野遺跡の方形周溝墓の発掘調査記録の動画朱塗り石棺の謎(14分)をぜひご覧ください。できればシェアして市内外に広めてください。ここをクリックしてください。

https://www.youtube.com/watch?v=QxvY4FBnXq0

※現在、視聴回数が41000回を超えました!2017年1月公開し、2018年7月で約6000回だったのに、この7か月で急増中です!(^^)! 北九州市はほとんど広報せず、小さな市民団体が作った遺跡の動画にしては多い方では?

 

 

 

●2019年2月20日 西エリアの西側から1800年前の弥生人たちにも見ていた足立山を撮った写真。広大な緑地帯だった城野遺跡は、東エリアに続き、西エリアもコンクリートで覆われることに。北九州市は豊かな古代(原始)の歴史を学び、語り継ぐ本格的な遺跡公園のある文化かおるまちになれるだろうか・・・。

 

●2017年12月ころまで西エリアの西側から撮った写真。上記写真と比べてください。

 

●2019年2月20日の方形周溝墓付近を残して掘削された方形周溝墓の断面。午後の撮影で逆光となり暗い写真となりました。

 

●2日後の2019年2月22日の上記写真と同じ場所。白っぽい土が表面に見えます。

 

●上と同じ日の場所をズームして撮った写真。ところどころに見える白っぽい土は砂と思われます。方形周溝墓の埋め戻しの際に埋められた砂だとしてら、方形周溝墓は大丈夫?!

 

 

●上と同じ日の西エリアの南側。ほぼ垂直の段差がありましたが、北側で削った土を埋めていました。