（ 前回の続き↓）
ちょうどその頃、
持っているピアノにガタが来ていた。
小学校の時、
おばあちゃんに買ってもらったピアノ。
打鍵するたびに異音がする。
調律師さんからも
「もうガタが来ている」とずっと言われたいた。
次に交換する部品は数十万。
…買い換えることにした。
それでも、
30年も寄り添ったピアノ。
今でも思い出すと涙が出る。
だって、このピアノだけは
私の全てを知ってる。
私がその時その時で描いた心模様を
寄り添って奏でてくれた。
YAMAHA製のアップライト。
当時、そこまでいいとは言えない
ランクのものだったけれど、
現役の時はすっごく弾いたから、
割と私好みのピアノになってくれた♡
その分、寂しさもあった。
お母さんに言ったらなんて言われるかな…
結婚して電子ドラムを買った時は、
「また！あんたはそんな事して‼︎
◯◯君(夫)はいいって言ったの⁉︎
」
」と怒られた。
私が次に買うピアノは、
絶対自分の気に入った
ピアノじゃないと買わないと決めていたから、
(その時の記事↓)
言い出すにも勇気が要った。
開口一番、
お母さんはこう言った。
「あんたは、
ホンマによーがんばった‼︎
母さんそう思うんよ。
あんないいとは言えないピアノで…」
私の涙腺は崩壊した。
ずっとお母さんに
認めてもらいたかった。
よくがんばったねって
言って欲しかった。
でもお母さんは、
とっくに
私を認めてくれていた。
ただ言葉にしないだけで。
そういえば、
生活で精一杯だったのに、
高い学費をなんとか捻出して
大学通わせてくれたじゃん。
そっか。
ずっと応援していてくれたんだ。
その事に気付いて
涙が止まらなかった。
そして…
「大学に入る時に、
グランドピアノが欲しいって言ってたけど、
買ってあげられなくて…。
だから、母さん出してあげるけん、
少しでも足しにしんさい！」
と。
なんか知らんけど、
頭金まで出してもらえることに！
その時、
もうこれは今しかない‼︎
と思って
あの頃の自分を思い出すように
お母さんに話し始めた。
「私ね、母さんに認められてないと思っとった。
いつか、母さんに言われた事があったんよ。
『あんたのピアノ、いいと思わん』て。
すごいショックでさ…
あれは、どういう意味で言ったん？」
そしたら母さんは、
ニハニハ笑いながら…
「あぁ、なんか言ったねぇ。
なんでか…
母さんのこう！
みたいなのじゃなかったんよ(笑)
でも、先生も何も言わんし…(笑)」
だって、
先生から言われたことは
ちゃんと練習して
直してレッスン行ってたもん‼︎
そう。
先生は、おかしいとか
良くないとか言わなかった(笑)
なんか言われたら練習してたし(笑)
そして、
渚のアデリーヌの事も言ってみた。
そしたら、
「あぁ！覚えとるよ！
あれ、母さん嬉しかった〜！
あら？何も言わんかったかいね⁉︎」
完全に
すれ違ってる。
私の受けた印象と、
母さんの気持ちは、
全く違っていた
心を患った20年…
ただの勘違いだった
人生をかけた壮大な勘違い
