自分自身ではその人のことを好きになっているなんて、
自覚したことなどなかった。
夢も希望も破れたときだった・・・
その人の、皆に見せる平等の優しさに
気がつけば惹かれていた。
幼い子には、
自分からしゃがんで、
その子に目線を合わせて
当然のように会話する。
そんな彼を好きになっていたらしい。
まわりの、おばさま方は敏感で、
何か、上手いこと言っちゃその人の写真を撮り、
現像して、無料で私にくれていた。
心の中に踏み込まれるのは
すごく苦手で、
大嫌いなはずなのに、
この時ばかりは、無条件に受け入れられていた。
ただ、ただ、ありがとうという言葉しか思い浮かばない。
無自覚な片想いの相手の写真は、
アドレス帳に挟んでいた。
職業訓練を受け、再就職し、
ひどいセクハラを受けた会社で、
一度、鞄から数日そのアドレス帳がなくなっていたことがある。
それから暫く立ってから、
セクハラや、虐めが始まったんだ。
~ここからは、後からの追加修正~
無自覚な片想いの相手とは、写真を頂いていた頃以外
会うことはありませんでした。