息子が小学6年生の時、
最後の参観日はそれぞれの将来の夢を発表する授業参観だった
息子が通っていた小学校は教育大附属ということもあって、父親が医者だの歯医者だの社長だのと、参観日はブランドバッグと高級車の品評会になっていた
案の定、子供達は将来は医者になって人の為に役立ちたいとか、社長になりたいとか発表した
その度に母たちはご満悦の笑みを浮かべながら頷くのであった
うちは普通の母子家庭で3人目の末っ子で次男であるからみんなで可愛がり教育というよりはどちらかというと自由にのびのびと育てていた
遂にうちの息子の番が来た
僕は、仮面ライダーになりたいです！
、、、教室がざわめいた
先生も一瞬固まった様に言葉を選んで、ああ、スーツアクターね！と
息子は、はい！と答えたが、
私には本当の仮面ライダーになりたいと言った様にしか聞こえなかった
思わず、クスッと笑ったが
彼の心の中が見えた様に思えた
母親の顔色を伺いながら
ひかれたレールを走る電車を夢見る友達をよそに
あえてわかりやすく
彼は本当の夢を語ったのだ
周りの人の役に立ちたい
ヒーローになりたい
私はこの時確信した
この子の魂は本物だと
彼は今、とても優しく母親思いである