この世ではじめて『人形(ひとがた)』を創った神
速秋津比売神(はやあきつひめのかみ)
災厄を『人形』に写しとり「難」を逃れる
そのための『人形』である。
大祓祝詞に登場する【速秋津比売神】は、【瀬織津比売神】が押し流した罪穢れを『大海原』で呑み込む。
それは『大地』たる【この世】に重なるように存在する【あの世】の『大海原』で
罪穢れを【型】に落とし込む(呑み込む)。
そうして出来上がった罪穢れの【型】を【気吹戸主神(いぶきどぬしのかみ)】が遠くへ放ち
【速佐須良比売神(はやさすらひめのかみ)】が罪穢れの【終わり】を告げる。
これは、【祟り】を未然に防ぐ神道の祝詞とも言える。
人が起こした【罪穢れ】は、やがてその者に還ってくる。
だから、その【還ってくる】罪穢れの【咎(とが)】を、身代わりの【型】に受けてもらう。
そして、その【罪穢れの型】を【祓う】という【型】が『天津宮事』
『天津金木』『天津菅麻』を「罪穢れの型」と見立てて
それらを『切り刻んで』【祓いの型】を完了する。
そして、その【型】をもって【罪穢れ】を消し去ることを神々にお願いするわけである。
だからこれは【神人一体】とならねば行えぬもの。
その【大祓】の神々、天津神、国津神、八百万の神々と『神人共和』して行うのが【祓い】であり【禊ぎ】である。
八剱祓(やつるぎのはらい)にも様々な【神仏】の助力がある。
祓戸の神、龍神、刀八毘沙門天、不動明王
これらの神仏と共和してはじめて【降魔の祓い】が可能となる。
悪神、悪鬼、悪魔、邪気、禍霊、その他諸々・・・
それらを【型】に押し込めて、八釼祓の【型】を行うことで【祓い】が完成する。
だからそこには必ず【瀬織津比売】と【速秋津比売神】が居る。
押し流され呑み込まれ【型】となった『空間』で
魔を降し罪穢れを祓い『改心』へと導く
そして、罪穢れを【気吹戸主】と【速佐須良比売】が最後に消し去る。
それが【八釼祓】の術式である。
癒奏術・零【八劔祓-Yatsurugi no harai-】~遠隔の祓い