よくわかりませんが、ガンや不妊の原因解明に役立つ可能性があるそうです。




染色体異常の細胞を生成 久留米大チーム 「がん原因解明に光」 米科学誌に発表
2008年8月23日 09:25 西日本新聞朝刊
 生物の遺伝情報が集まる染色体の一部を操作し、異常な構造の染色体を人為的に作り出すことに、久留米大学分子生命科学研究所(福岡県久留米市)の高橋考太教授(分子生物学)の研究チームが成功し、22日付の米科学誌サイエンスに発表した。染色体異常が一因とされる、がんや不妊の原因解明に役立つ可能性があるという。
 通常、染色体は細胞分裂の際に均等に分かれ、同じ性質の新しい細胞を形成する。均等に分かつ役割を担うのが染色体の一部「セントロメア」で、これが機能不全を起こすと分裂後の細胞のほとんどが死滅する。しかし数千分の一程度の確率で生き残った場合、染色体異常を起こした異型の細胞が形成されるという。
 研究チームは、人間と似た染色体構造をもつ単細胞生物「分裂酵母」を用い、人為的にセントロメアを破壊、染色体異常がある細胞を自在に作り出す方法を確立した。高橋教授は「これにより染色体異常に伴う、がんや不妊の原因メカニズムを遺伝子レベルで解明できる可能性が出てきた」としている。
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/43073



セントロメアとは(Wikipediaより)

セントロメア(Centromere 動原体) は染色体の長腕と短腕が交差する部位。染色体のほぼ中央に位置することからこの名がつけられている。細胞分裂時には一次狭窄を形成し、紡錘体が結合する。染色体の凝縮に関係するCENP-AやINCENP、あるいは染色体の移動に関するMCAK、CENP-Eなどが集積し、キネトコアと呼ばれる構造を形成する。凝集したクロマチン構造、すなわちヘテロクロマチンになっており、遺伝子発現は構成的に抑制されている。DNA は独自の繰り返し配列をとっており、塩基配列決定が困難である。C. elegans のようにセントロメアが染色体全体に広がる生物種もある。




元論文アブストラクトより
セントロメア機能障害にともなう染色体再編成にヘテロクロマチン構造の有無が影響を及ぼす
今回われわれは、分裂酵母(Schizosaccharomyces pombe)において、セントロメアをコンディショナルに欠失させると、サブテロメア領域にネオセントロメアを獲得した染色体か、他の染色体とテロメア間で融合し分配される無動原体(セントロメアを持たない)染色体のいずれかを有する生存株が得られることを見出した。

http://www.mt-pharma.co.jp/general/science/08/2008_8_22/sci_jsumm.htm#2

元論文

"Heterochromatin Integrity Affects Chromosome Reorganization After Centromere Dysfunction", Kojiro Ishii, Yuki Ogiyama, Yuji Chikashige, Saeko Soejima, Fumie Masuda, Tatsuyuki Kakuma, Yasushi Hiraoka, Kohta Takahashi, Science, 321(5892), 1088 - 1091, (2008)
DOI: 10.1126/science.1158699
http://www.sciencemag.org/cgi/content/abstract/321/5892/1088