松下電器産業(Panasonic)ってこういう研究もしていたんですね。
SNP(Single Nucleotide Polymorphism:一塩基多型)と言われる、DNA配列のごくわずかな違いを調べる方法で、実用化は「5年後」を見込んでいるそうです。
DNAは究極の個人情報とも言われており、こういう研究は遺伝子差別につながりそうで、怖い面もあります。
SNP(Single Nucleotide Polymorphism:スニップ)
DNAの塩基配列は,同じヒトであっても個人によって僅かずつ異なっていることがわかっています。例えば,第12番目の染色体には,酒酔い遺伝子(アルデヒド脱水素酵素,aldehyde dehydrogenase 2; ALDH2)と呼ばれる部分があります。欧米人のように酒に強い人の塩基配列は,-ATACACT-G-AAGTGAA-であり,アジア人のように,酒に弱い人の塩基配列は,-ATACACT-A-AAGTGAA-とGとA以外の配列は同じですが,一塩基の違いでヒトの性質が異なります。これがSNP(スニップSingle Nucleotide Polymorphismの略=一塩基多型)と呼ばれるもので,数多くあるのでSNPsと言います。SNPは数百から千塩基に一個の割合いで存在し,全ゲノム中には300万~1000万個所もあると考えられています。このSNPが,病気の罹りやすさや薬の効きやすさなどで個人差があることと関連していると考えられます。現在,SNP を系統的に調べてデータベース化し,患者の体質にあった薬の処方や治療を行う,「テーラーメイド(オーダーメイド)医療」に高い関心が集められています。これを可能とするには,SNPsを迅速に分析できる方法の開発が極めて重要となります。
(東北大学 分析化学研究室)
http://www.anal.chem.tohoku.ac.jp/Top/SNPs.html
松下電器産業、DNA配列から個人の体質を電気的に識別する技術を開発
8月20日15時42分配信 RBB TODAY
松下電器産業は19日、甲南大学杉本直己教授と共同で、薬効や病気の発症リスクなど個々の体質に影響を与える個人ごとのDNA配列の違い(SNP)を電気的に識別する技術を開発したことを発表した。
本技術は、世界で初めてDNAを固定せずに電流計測することにより、正確かつ安価なSNP識別を実現したとのこと。従来の識別技術では、DNA複製反応を厳密に制御することが困難であったし、あらかじめ識別用の人工DNAを固定させた特殊で高価な電極を用意する必要があった。そのためSNPの正確な識別が困難だったが、今回あらたにDNA複製反応の有無を厳密に制御できる識別用人工DNAの塩基配列設計技術と、DNA複製の際に放出されるリン酸化合物の量を酵素反応で生じる電流値として測定する電気的検出技術とを開発し用いたものとなっている。
DNA複製反応の際に、一塩基複製されるごとに反応副産物として「ピロリン酸」と呼ばれるリン酸化合物が1分子放出される。このピロリン酸の量に応じて電流として検出できる新規な酵素反応系を開発、3種類の酵素を用いて、ピロリン酸の量を電子伝達体であるフェロシアン化カリウムの量に変換し、その酸化電流を測定することに、世界で初めて成功したという。
これにより、正確かつ安価に一人1人の薬効や病気の発症リスクを知ることができるため、今後、一般病院や診療所などの医療現場で、個人の体質に合わせた健康管理や医薬品処方が将来的に可能になる見込み。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080820-00000014-rbb-sci
松下電器,電気的にDNA配列を識別する技術を開発 - 産業動向オブザーバ - Tech-On!
2008/08/19 19:00
DNAの塩基配列を識別するデバイスとして,現在,DNAチップの開発が活発に進められている。これまで主に研究用途で使われてきたDNAチップの多くは,「蛍光検出(あるいはマイクロアレイ)型」と呼ぶ方式だった。調べるDNAに蛍光標識を付与しておき,プローブ用DNAを固定したチップとの反応後にレーザを照射して蛍光の有無や位置を確認することで,結合したのかどうか,どのDNAと結合したのか,などを判別する方式である。
しかし,この方式は一般に装置が大掛かりになったり測定に時間が掛かったりする。医療現場で使う場合には,さらなる改良が必要となるため,さまざまなメーカーが独自の方式の開発を進めている段階である。
その一つの提案が,電流によってDNAの塩基配列を識別する方式である。レーザなどの光学系が不要になるため検出部の装置構成などが簡素(安価)になるほか,測定に掛かる時間も短くなるといった利点が期待できる。既に,東芝などが電流検出方式のDNAチップを開発している。
松下電器が今回開発した方式は,こうした既存の電流検出方式に比べ「さらに安価かつ高精度にできる」(同社)のが特徴とする。
安価にできる理由は,「プローブ用DNAを固定する電極が不要」(松下電器)であるため。従来の電流検出方式では,プローブ用DNAをAu電極によって基板に固定していた。このAuが不要になるという。
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080819/156574/