こういう論文がサイエンスに載るということは、コンピュータによるシミュレーションって結構信頼されているということですね。
っていうか、シミュレーション以外の手段がないんでしょうけど。
(化学の世界でもコンピュータによる計算はかなり信頼されるようになっています。)
“宇宙の一番星”再現 名古屋大助教らが形成過程明らかに
8月1日8時1分配信 産経新聞
137億年前のビッグバン(宇宙誕生の大爆発)から間もない暗黒宇宙に、最初の星が形成される過程を、名古屋大学大学院助教の吉田直紀さんらが大規模なコンピューターシミュレーションで明らかにした。1日発行の米科学誌「サイエンス」に発表した。
望遠鏡による観測では、国立天文台のすばるで発見された約129億年前の銀河が最も初期の天体で、“宇宙の一番星”は見つかっていない。
吉田さんと国立天文台助教の大向一行さんは米ハーバード大の研究者と共同で、宇宙初期のわずかな物質密度の揺らぎ(むら)をコンピューター上に再現。正体不明の暗黒物質の重力や化学反応を緻密(ちみつ)に計算した結果、宇宙誕生から約3億年後、暗黒物質の巨大な塊の中に、星の材料となる水素やヘリウムの分子が集まり、その中心部に質量が太陽の100分の1ほどの原始星ができる様子が描き出された。
この原始星は周辺のガスを取り込んで太陽質量の100倍程度まで成長し、やがて超新星爆発を起こして炭素などの重い元素を宇宙空間に放出するという。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080801-00000073-san-soci
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/natnews/165894/
元論文
"Protostar Formation in the Early Universe", Naoki Yoshida, Kazuyuki Omukai, Lars Hernquist, Science, 321 (5889), 669 - 671 (2008)
DOI: 10.1126/science.1160259
http://www.sciencemag.org/cgi/content/abstract/321/5889/669
日本語版解説記事
宇宙のロゼッタストーン(A Cosmic Rosetta Stone)
http://www.sciencemag.jp/highlights.cgi?_issue=119
(英語では、「ロゼッタ・ストーン」は解読、難問、重大な鍵などの隠喩として使われる。)
そもそも、「暗黒物質」というものが何なのか、正体がわかっていないんですよね。
<暗黒物質> ダークマターとも呼ばれ、光を出さず目に見えない。銀河の回転に重力の影響を及ぼすことから発見された。宇宙の物質の80%以上を占める。未知の素粒子とする説もあり天文学上の最大の謎の一つ。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2008080102000147.html
暗黒物質の候補(Wikipediaより)
素粒子論からの候補(WIMP (ウィンプ、weakly interacting massive particles))
ニュートリノ
ニュートラリーノ
アキシオン
シャドーマター
天体物理学からの候補
ブラックホール
白色矮星・中性子星
褐色矮星
MACHO(Massive Astrophysical Compact Halo Object)