ヴァイオリンをCTスキャンで調べた結果、『ストラディバリウス』は木目が均一であることがわかったそうです。

小氷河期だったため、木の夏冬の成長の差が小さかったからだろうとのこと。




バイオリンの名器『ストラディバリウス』は小氷期の賜物か:CTスキャン分析
7月7日12時0分配信 WIRED VISION

7月2日(米国時間)にオンラインの科学ジャーナル『Public Library of Science ONE』(PLoS ONE)誌に掲載された「古典的名器と現代のバイオリンにおける木材密度の比較」と題する研究報告の中で、オランダの研究者グループは、イタリア人の名工アントニオ・ストラディバリが18世紀初めに作った比類のない名器5台と、調音的にはそれらと遜色のないバイオリンとを、コンピューター断層撮影(CTスキャナー)を使って調べた。

3次元撮影のX線写真により、ストラディバリのバイオリンで使われている木材は、中の密度が驚くほど均一になっていて、木が成長して季節ごとに刻まれる年輪による木目の幅の違いがほとんどないことがわかった。

木の成長は、夏の方が冬よりも速いのが普通だ。冬にできる年輪の幅は狭くて密だが、夏は水分の吸収が良いため、年輪の幅は、冬に比べて広くなる。こうした年輪の幅の違いは、木材を楽器にしたときの音の質に影響する。

ストラディバリにとって幸運だったのは、彼が生きていた時代が小氷期だったことだ。[小氷期は、14世紀から19世紀半ばまで続いたという寒冷な期間。太陽活動の低下や活発な火山活動が原因とされる。ストラディバリは1644年生まれ、1737年没]

小氷期には、木の成長速度は夏も冬もほとんど変わりがなかった。そのために密度が均一な木材ができ、それから3世紀もの間、ストラディバリウスの音色の謎を解き明かそうとする専門家たちの頭を悩ませることになったわけだ。これまで、ニスの塗り方に秘密があるとか、木材を沸騰した湯に通したとか、池に浸したとか、諸説が主張されてきた。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080707-00000001-wvn-sci

http://wiredvision.jp/news/200807/2008070720.html



元論文

"A Comparison of Wood Density between Classical Cremonese and Modern Violins", Berend C. Stoel, Terry M. Borman, PLoS ONE 3(7): e2554.(2008)
doi:10.1371/journal.pone.0002554
http://www.plosone.org/article/info%3Adoi%2F10.1371%2Fjournal.pone.0002554



「Cremonese(クレモネーゼ)」とは、ストラディバリが住んでいた北西イタリアのヴァイオリン職人の町クレモナのの意味でしょうか。