生物の系統分類学の分野では、DNA解析(ゲノム解析)が最有力な手段になっています。
例えば、同じ爬虫類に分類されているワニとトカゲですが、ワニとトカゲより、ワニと鳥の方が近い関係であることがわかっています。

下記記事の「The Early Bird Assembling the Tree-of-Life Research Project」による研究は、鳥類の中での系統分類に関するものです。


169種類の鳥を調べ、
・鳥類は陸鳥(land bird)、海鳥(water bird)、水辺の鳥(shore bird)に大別できるが、異なった環境に適応するために幾度も進化を繰り返してきたため、見た目や行動では判断できない。
例えば
・フラミンゴとカイツブリの祖先は水鳥ではなく、カッコウの祖先も陸に住んでいた鳥ではない。
・昼に活動するハチドリが夜行性のヨタカから進化した。
・ハヤブサはタカやワシとの間に進化的関連はない。
・速く飛ぶ海鳥はペリカンなどの水鳥とは関連性がない。
などが明らかになったそうです。

この研究によって、学名が変わる鳥がでてきそうです。

なかなか興味深いです。



元論文
"A Phylogenomic Study of Birds Reveals Their Evolutionary History", Shannon J. Hackett, Rebecca T. Kimball, Sushma Reddy, Rauri C. K. Bowie, Edward L. Braun, Michael J. Braun, Jena L. Chojnowski, W. Andrew Cox, Kin-Lan Han, John Harshman, Christopher J. Huddleston, Ben D. Marks, Kathleen J. Miglia, William S. Moore, Frederick H. Sheldon, David W. Steadman, Christopher C. Witt, Tamaki Yuri, Science, 320(5884), 1763-1768 (2008).
DOI: 10.1126/science.1157704
http://www.sciencemag.org/cgi/content/abstract/320/5884/1763



今週のハイライト
同種の鳥としてどう分類するか
http://www.sciencemag.jp/highlights.cgi?_issue=114



日本語アブストラクト
系統ゲノミクス的研究によって鳥類の進化の歴史が解明された
現存するすべての主要な分類群を代表する169種について、独立した19遺伝子座の核DNA配列を、約32,000塩基にわたって調査した。
http://www.mt-pharma.co.jp/general/science/08/2008_6_27/sci_jsumm.htm



AFPの記事の「世界19か所」という訳は間違いかな?


著者の最後にTamaki Yuriさんという日本人の方がいますね。
由利たまきさん
慶応大学理工学部卒業
ミシガン大学卒業?
フロリダ大学のポスドク?
スミソニアン博物館(分析生物研)で研究している?


「13章 鳥類と系統学」を書いておられるようです。


これからの鳥類学
裳華房(山岸 哲・樋口広芳 編)
これからの鳥類学