ありゃりゃ。
バイエルがこれで特許出願するのは企業として当然のことだから仕方ないけど、特許が認められて、研究や治療にお金がかかるようになるとイヤやなぁ。
将来のノーベル賞にも影響あるかも?
<ヒトiPS細胞>バイエル薬品先に作成 山中教授抜く
4月11日2時30分配信 毎日新聞
バイエル薬品(大阪市)神戸リサーチセンター(昨年12月に閉鎖)の研究チームが昨年春、京都大の山中伸弥教授らのチームより早く、ヒトの「人工多能性幹細胞(iPS細胞)」を作成していたことが分かった。すでに特許出願も完了しているとみられる。バイエル薬品が特許を取得した場合、iPS細胞の医療への応用など実用化に大きな影響が出る可能性がある。
作成したのは、桜田一洋センター長と正木英樹研究員、石川哲也主席研究員(いずれも肩書は当時)らのチーム。同センターはバイエル薬品と日本シエーリングの経営統合に伴い昨年12月21日に閉鎖された。チームは同日、論文を投稿。今年1月31日付のオランダ科学誌「ステム・セル・リサーチ」電子版に掲載された。
桜田氏らは、山中教授らが06年8月にマウスiPS細胞の作成を発表した直後から、ヒトでの研究を始めた。論文によると、新生児の皮膚細胞に、山中教授らと同じ四つの遺伝子を導入し、胚(はい)性幹細胞(ES細胞)と極めてよく似た分化能力を持つ幹細胞を作った。遺伝子の導入過程で使うウイルスの一つは山中教授らと異なる種類を使うなど、複数の点で独自のアイデアがみられる。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080411-00000007-mai-soci
なんでこんな成果が出た神戸リサーチセンターを閉鎖しちゃったんでしょう?
謎な会社だ。
桜田一洋さんらの「Stem Cell Research」の論文は
"Heterogeneity of pluripotent marker gene expression in colonies generated in human iPS cell induction culture," Hideki Masaki, Tetsuya Ishikawa, Shunichi Takahashi, Masafumi Okumura, Noriko Sakai, Megumi Haga, Katsuya Kominami, Hideyuki Migita, Fiona McDonald, Fumiki Shimada, Kazuhiro Sakurada, Stem Cell Research, In Press. Available online 31 January 2008
http://dx.doi.org/10.1016/j.scr.2008.01.001
これに対して京大は、基本技術の特許は出願しているから大きな影響は無いとしています。
そうあって欲しいです。
<iPS細胞>基本技術出願済み…バイエル先行で京大見解
4月11日21時13分配信 毎日新聞
ヒトの人工多能性幹細胞(iPS細胞)を、バイエル薬品の研究グループが京都大の山中伸弥教授より先に作成し、作成技術に関する特許も出願済みとみられることに関し、京大は11日、マウスのiPS細胞作成後の05年に山中教授が出願した特許が、ヒトのiPS細胞作成でも基本となる技術を含むため、大きな問題は生じないとの見解を示した。
仮に同社など民間企業が基本技術以外で特許を取得しても、高額な特許料設定は困難だとみているという。特許料が高額になればiPS細胞で治療を受ける患者の負担が増すと心配されている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080411-00000136-mai-soci
iPS細胞で京大が会見、特許の優位性を強調
4月12日0時4分配信 読売新聞
バイエル薬品(大阪市)が昨春、人の新型万能細胞(iPS細胞)の作製に成功していたことについて、京都大は11日、記者会見を開いた。
中畑龍俊・iPS細胞研究センター副センター長は「山中伸弥教授は動物の種類を限定せず、iPS細胞を作ること自体を発明した」と、特許の優位性を強調した。
特許庁の調査では、今年2月末までに公開されたiPS細胞に関する特許出願は、山中教授と京大がそれぞれ申請した2件だけ。松本紘・副学長は「知的財産が一部に独占され、国民が不利益を受けないようにしたい」と話した。
特許出願は、特許庁に出した後、1年半過ぎると無条件で公開される。申請から30か月以内に翻訳文を提出すれば、海外でも同じ日に申請したことになる。米国だけは出願順でなく、発明した時期で決まる。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080412-00000000-yom-sci
「米国だけは出願順でなく、発明した時期で決まる」ということで、研究の記録ノートとかきっちり残しておかないとダメなんですよね。
桜田一洋さんのプロフィール(履歴)
バイエル薬品(株)神戸リサーチセンター/現iZumi Bio Inc., Chief Scientific Officer
1986年 3月 大阪大学理学部生物学会卒業
1988年 3月 大阪大学大学院理学研究科修士課程修了(小川英行教授)
1988年 4月 協和発酵(株)東京研究所 研究員
1991年 4月 京都大学医学部研究生(中西重忠教授)92年7月まで
1993年10月 大阪大学より理学博士授与
1997年 9月 Salk Institute客員研究員(Fred Gage教授) 1998年12月まで
2000年 4月 協和発酵(株)東京研究所 主任研究員
2004年10月 日本シエーリング(株) リサーチセンター センター長
2006年 4月 日本シエーリング(株) 執行役員 リサーチセンター長
2007年 7月 会社合併によりバイエル薬品(株)執行役員 神戸リサーチセンター長
2008年 1月 iZumi Bio Inc. / Chief Scientific Officer (最高科学責任者)
http://www.med.fukuoka-u.ac.jp/physiol/technicalseminar2008/technicalseminar-2.htm より