「天地創造」はさすがに不可能でしょうが、近いうちに「生物創造」が実現してしまうかもしれません。



<ゲノム>DNAを人工的に完全合成 米チームが成功
1月25日4時0分配信 毎日新聞

 ある種の細菌の全遺伝情報(ゲノム)を含んだDNAを人工的に完全合成することに成功したと、米国のクレイグ・ベンター博士が率いる民間チームが、米科学誌サイエンス(電子版)に24日発表した。できたのはゲノムの合成までで、細菌そのものをつくったわけではないが、今回の成功で、望み通りのDNAを持つ「人工生命」をつくり出す技術に一歩近づいた。

 有用な人工微生物の開発につながる可能性がある一方、生物兵器開発に悪用される恐れも指摘され、こうした研究の監視や規制の在り方をめぐり議論が起きそうだ。

 ゲノムの合成はウイルスでは既に実現しているが、細菌のように大きなゲノムの合成は技術的に困難だった。

 チームは、細菌の中では最小クラスのゲノムを持つ「マイコプラズマ・ジェニタリウム」のDNAを、設計図である遺伝情報を基に約100の区画に分けて化学合成。それを特殊な酵素を使うなどしてつなぎ合わせた後、酵母菌に組み込んで完全なゲノムを得た。

 できたゲノムは、意図的に取り除いた病原性にかかわる遺伝子を除き、自然の細菌が持つすべての遺伝子を持っていたという。

 ベンター博士は、ヒトゲノム解読で国際共同チームと競り合ったことで有名な研究者。(共同)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080125-00000014-mai-soci


細菌ゲノムの合成に成功
Scientists Create Synthetic Genome
細菌Mycoplasma genitaliumの全ゲノムの合成に成功したことが新たに報告された。この研究によって、これまでよりもさらに大きなDNA分子の作製が可能になり、バイオ燃料の製造、有害廃棄物の分解、炭素の除去などへの応用が期待される合成微生物の作製という最終目的に向かって一歩前進することになる。Daniel Gibsonらは、試験管の中でそれぞれ全ゲノムの1/8~1/4を構成するゲノム塩基配列の大きな塊を化学的に合成することに成功し、そのコピーを大腸菌(E. coli)の人工染色体の中に組み込んだ。その後、酵母の中で、酵母の細胞自身の機構を利用してこの大きな断片を組み立てた。Gibsonらはまた合成ゲノムを区別するために、別のDNAを挿入できることがわかっている位置に「目印」となる短い塩基配列を挿入した。
"Complete Chemical Synthesis, Assembly, and Cloning of a Mycoplasma Genitalium Genome," by D.G. Gibson; G.A. Benders; C. Andrews-Pfannkoch; E.A. Denisova; H. Baden-Tillson; J. Zaveri; T.B. Stockwell; A. Brownley; D.W. Thomas; M.A. Algire; C. Merryman; L. Young; V.N. Noskov; J.I. Glass; J.C. Venter; C.A. Hutchison III; H.O. Hamilton at J. Craig Venter Institute inRockville, MD.
"Complete Chemical Synthesis, Assembly, and Cloning of a Mycoplasma genitalium Genome", Daniel G. Gibson, Gwynedd A. Benders, Cynthia Andrews-Pfannkoch, Evgeniya A. Denisova, Holly Baden-Tillson, Jayshree Zaveri, Timothy B. Stockwell, Anushka Brownley, David W. Thomas, Mikkel A. Algire, Chuck Merryman, Lei Young, Vladimir N. Noskov, John I. Glass, J. Craig Venter, Clyde A. Hutchison III, and Hamilton O. Smith,
Published online January 24 2008; 10.1126/science.1151721 (Science Express Research Articles)
http://www.sciencemag.jp/highlights.cgi?_issue=92

http://www.sciencemag.org/cgi/content/abstract/1151721




Abstractによると、 582,970 bp(塩基対)だそうです。

記事にあるように、短いDNA鎖を生物(大腸菌や酵母)を利用してつなぎ合わせているわけだけれども、すごいです。


DNAが合成できたら、すぐに生物になるのかというと・・・



この研究を行なったJ. Craig Venter Instituteの所長、J. Craig Venter氏は、24日(米国時間)の電話会見で次のように語った。
「最初の合成生命体を作成するためには3つの工程が必要だが、これはそのうちの2番目だ。今回は、完全な染色体の合成が実現した。合成生命体の完成に必要な残りの1つの工程は……これを細胞内で『起動』させることだ」
(略)
Venter氏の言う3工程のうち、第1の工程は、2007年6月に発表されたもので、あるバクテリアから採取したゲノムを別のバクテリアに移し替えて「起動させる」ことだった。
残るのは、初めの2つの工程を組み合わせ、今回作成された合成ゲノムを一般的なバクテリアに組み込む、第3の工程だ。科学者たちは、2008年中に初の合成生物が発表されるだろうと予測している。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080125-00000005-wvn-sci



合成DNAを「バクテリアに組み込む」とのことなので、完全なる「生物創造」にはほど遠いのかもしれませんが、望み通りの生物を作り出すことは可能になりそうです。



生命とは一体何なのか?

人間は神になれるのか?

ウェーラーが無機物から有機物を作り出したとき以上(?)の衝撃的な研究成果が近いうちに発表されるかもしれません。