昨日、「フランダースの犬」の記事 を書きました。

そのディディエ・ボルカールト(Didier Volckaert)さんによる検証映画「パトラッシュ」(Patrasche Dog of Flanders DOCUMENTARY)のDVDの日本語字幕版は12/12発売らしいですが、今のところ、日本では買えないようです。


昨日の新聞記事 だけ見ると、日本人にスポットが当たっているように勘違いしてしまいがちですが、そんなことはなく、あくまでも「フランダースの犬」の検証映画で、そこにベルギーと日本の文化の違いなども描かれているという感じみたいです。



購入は、info@dogofflanders.be英語で問い合わせてください。

詳細は http://www.dogofflanders.be/ まで。

「ENTER」をクリックして開く新しい窓の上部の「Synopsis」を押して、左の方にある「日本語」をクリックしてください。

(ベルギーのeBayでも買えるっぽい。日本から買えるかどうか不明。字幕あり、なしがあるので、注意。)



上のサイトを見たら、アメリカでもそこそこ人気があることがわかりました。

そりゃそうですよね。

何回も映画化されているんだから。

悲しい結末(滅びの美学?)か、ハッピーエンドかという違いはありますが。



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検証映画の内容については、

http://crossroads.journalismcentre.com/2006/a-dog-of-flanders-revisited/

に詳しそうです。(英語。1年以上前に書かれた記事です。)
ちょっと引用します。

(僕が訳しました。不適切な訳があるかもしれません。)


Jan Corteel, a tourist officer in Antwerp and an expert on the story, also admits that there is a big perception gap.

“In our Western countries, one loses when he or she dies. But Asian people don’t see death as a failure. Devoting all your life with a true heart to the pursuit of a goal makes you an everlasting hero. And that is exactly what Nello did.”

As Jan puts it, “nobility of failure” may be another key factor. In Japan, there are traditional stories in which “the loser” receives more sympathy from the public than “the winner.” The Japanese even have a word for this: “hangan-biiki” which means feeling sympathy for a tragic hero.


アントワープ旅行局員(?)で、フランダースの犬の専門家でもあるジャン・コーティール(?)さんも、大きな認識のずれがあるのことを認めています。

「私たち西側諸国では、死ぬことは負けることです。しかし、アジアの人々は死を失敗とは考えません。 命を懸けて全身全霊で目標を追求することは、永遠の英雄になることなのです。そして、それはまさにネロがしたことです。」

ジャンさんが付け加えるように、「失敗の高貴(滅びの美学?)」が別の主要因であるかもしれません。 日本の伝統的な物語の中には、「勝者」より「敗者」が大衆の共感を受けるというものあります。日本には、 悲劇的な英雄に同情することを意味する「判官びいき」という言葉さえあります。



(Akira Takahashi, a professor of developmental psychology at Musashino University in Tokyo)

In Japan, a basic principle of moral education and parenting is the idea of empathy. Children are taught to first consider what other people think and then decide how to behave. Parents and teachers will say: “If you act like this, think about what your friends will feel” or “It might make your mom feel sad.”

“But in the United States and maybe most other countries, parents and teachers act as the ‘authority’ figures and simply tell children what is right or wrong. Moral principles are social rules which exist outside of human relations. In Japan, morality is considered as something that you nurture by yourself as you grow up. This is just the way it is, and we can’t say which way is right or better.”


(武蔵野大学の発達心理学教授、高橋晃先生)

日本では、道徳教育と子育ての基本原理が感情移入の考えです。子供は、最初に他の人がどう思うかを考えて、次にどう振る舞うかを決めるよう教えられます。「こんなことをしたら、友達がどう思うか考えなさい。」、「そんなことしたら、おかあさんは悲しむよ。」のように両親と教師は言います。

「しかし、アメリカと、おそらくほとんど国では、両親と教師は‘権威'が考えるように行動し、子供には何が是非かを教えるだけです。道徳とは人間関係の外に存在する社会的な規則です。 日本では、成長するとき自分で育てるものが道徳であるみなされています。これはただの方法論であり、どちらの方法が正しいか、より良いかはわかりません。」

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そうそう。

「滅びの美学」というよりは、「感情移入」とか「共感」とか、それよりもっと単純に「ネロとパトラッシュがかわいそう」という気持ちですよね。


2ちゃんねるに誰かが書いていましたが、「ネロとパトラッシュがかわいそう」と思うのは日本人とイギリス人だけで、島国特有の感情だとか。


歴史的に、島国では仲間が大切で、大陸では自分が大切だということですか。


「フランダースの犬」の原作はイギリス人のウィーダ (Ouida) (マリー・ルイーズ・ド・ラ・ラメー(Louise de La Ramée))です。



菊池寛による訳が青空文庫にありましたので、どうぞ。

http://www.aozora.gr.jp/cards/001044/files/4880_13769.html