一種のトラウマになっている話。
何故あんなことになったのかよくわからない。

2001年9月11日、大学院生だった僕は、北海道で開催された国際会議(学会)のため、北海道のホテルに居た。
ホテルでは後輩と同室だった。
夜は2人ともあの映像が流れるテレビに釘付けだった。

次の日の朝、テレビばかり見ていても仕方ないので、朝食に行くことにした。
しかし、後輩はなかなか準備をしようとしなかった。
後輩はテレビを見ているわけでもなく、ただダラダラしているのだ。
意味わからん。
早く朝食を食べたい僕はだんだん腹が立ってきた。

ようやく準備が出来たらしい後輩は次のように言った。
「それじゃ、行きましょうか。」

「お待たせしました。」という言葉を期待していた僕はキレた。
「ふざけるな!お前を待っていたのはこっちだぞ!」
「そんなこと言うなら1人で行けばいいじゃないですか!」と言って後輩はベッドに戻った。
「おい、行くぞ!」
「1人で行けばいい!」

こうして朝食を1人で摂ることになったのだが、部屋に戻ってみると部屋の扉が開かない。
カードキーを持っているから鍵は開くのに、扉が開かないのだ。
どうやら、後輩が内側からロックしてしまったらしい。
扉を叩いても応答なし。
仕方なく、そのまま学会に出席することにした。

夕方、部屋に戻ってみると、扉が開いた。
しかし、部屋は僕の荷物を残して「もぬけの殻」だった。
ホテルのフロントで尋ねると後輩は別の部屋に移ったとのことだった。

その後、後輩が学会の会場に現れることはなかった。
ホテルからも居なくなってしまった。
後輩がどうなったのか知る者は誰もいない。