虎太郎、今日も元気にお散歩に励みます。
虎太郎がワンゼロに来て1年が経ちました。
去年、お盆の真っ最中に虎太郎を引き取りに行きました。
『咬む甲斐犬』という触れ込みの犬でした。
それは
『恐怖の大魔王』
『怒れる巨人』
と同義語なのでは?
小心者のワタシは、産まれたての仔鹿のように足を震わせて向かったものです。
そんなレッテルを貼られた犬と飼い主の別れ方は、それはなんとも寂しいものでした。
咬まれないように、ケージ越しに頭をちょんちょんと触ってのお別れ。
仔犬のころから一緒に暮らしてきた犬だけれど。
飼い主として愛情が無かったわけではないけれど。
9年間一緒に暮らした犬との別れが、頭ちょんちょん。
ああ、寒い・・。
咬まれないように、ケージ越しに頭をちょんちょんと触ってのお別れ。
仔犬のころから一緒に暮らしてきた犬だけれど。
飼い主として愛情が無かったわけではないけれど。
9年間一緒に暮らした犬との別れが、頭ちょんちょん。
ああ、寒い・・。
虎太郎は、顔が大きくて黒くて、声も大きくてだみ声で、よく吠える子でした。
番犬として良い働きをしていたのだと思います。
それがますますワタシの恐怖心をあおるのです・・。
しかししかし。
咬む甲斐犬、頭ちょんちょん、怒れる巨人、のはずだった犬は。
動きがとろくておっとりで、脚力が弱くて平面でずっこけて、ボールを手渡すときもこっちの手を嚙まないように慎重に受け取る犬。
なんだかんだで、冬にはパジャマを毎晩着せられて、頭をグリグリ撫でられて、甘えて足にからみついてくる犬。
咬む甲斐犬、頭ちょんちょん、怒れる巨人、のはずだった犬は。
動きがとろくておっとりで、脚力が弱くて平面でずっこけて、ボールを手渡すときもこっちの手を嚙まないように慎重に受け取る犬。
なんだかんだで、冬にはパジャマを毎晩着せられて、頭をグリグリ撫でられて、甘えて足にからみついてくる犬。
一緒に過ごしてみたら。
なんのことはない、あの恐怖の大魔王は虎太郎だったのです。
なーんだ、なんだ、あれは虎太郎だったんだね。

だね。
あれも、これも、あの時も、ずっと虎太郎だったんだよね。
虎太郎には虎太郎の咬む理由があったわけで。
もちろん知らない犬との触れ合いは慎重に。
でも、何も見ずに、何も知らずに、咬む甲斐犬、色眼鏡を着けて虎太郎に接した自分を反省。
ごめんよ、虎太郎。

まい





