『真田丸』第35回―歴史フィクションは「描きたいこと」によって解釈が変わる | 歴史愛~歴史を学び、実生活を豊かにする~

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「温故知新」とは言いますが、世の中を見渡すと表面的な教訓ばかりでイマイチ実生活に活かすことのできない解説ばかりです。歴史的な出来事を、具体的な行動に置き換えて実生活をより豊かにし、願望を実現する手助けになるように翻訳していきます。


※こちらの記事は、平成29年1月4日に書かれたものです。

皆さん、新年明けましておめでとうございます。
今年もまったく先が見えず無事に過ごせるかわからないですが、今までもそうだったので、結局人生はいつまで経っても一寸先は闇ですね。

さて、放送からずいぶん時間が経ってしまっていて、もはや惰性と化している大人気大河ドラマ『真田丸(さなだまる)』の感想シリーズです 笑

今回は第35回「犬伏(いぬぶし)」ということで、あらすじとしては、

会津(あいづ)上杉征伐(うえすぎ せいばつ)に向かう徳川(とくがわ)軍の隙をつき、石田三成(山本耕史)は大谷吉継(片岡愛之助)を説得し、大坂(おおさか)にて挙兵(きょへい)
徳川家に従軍していた大名(だいみょう)たちの妻子を大坂城に集めて人質としようとするが、細川ガラシャ(ほそかわ がらしゃ)(橋本マナミ)が死に、細川邸に火を放たれて失敗。
真田家は石田三成からの挙兵の知らせを聞いて、真田昌幸(草刈正雄)・信繁(堺雅人)らは石田方に、真田信幸(大泉洋)は徳川方につくという方針を決定。いわゆる「犬伏の別れ」。

という感じでした。

※以下は、あくまで個人的感想です。批判的内容となりますので、ファンの方は閲覧注意です。






まず、気にったのが大谷吉継が石田三成に味方するのがあまりにもすんなりいき過ぎではないか、ということ。


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『真田丸』、特に言うことはないです(第34回)

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『真田丸』第33回―戦国武将は「義」だけでは動かない

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『真田丸』第32回―三成と清正の描写はいい!




一応、一般的な解釈としては大谷吉継は徳川家康とも割と仲がよく、このときは徳川家に従軍する気満々で、石田三成に徳川家に相対する気がないという意志表示をさせるために三成の嫡男(ちゃくなん)・重家をつれて会津に向かう予定だったところ、三成に三度説得され、ようやく三成に味方することを承諾しているのだが、『真田丸』では最初から三成が挙兵するのに味方するような描写だったような気がします(実はよく覚えていませんが 笑)。
(参考:大谷吉継

まぁ、この辺は解釈の違いなのかも知れないのであんまりうるさく言ってもしょうがないのですが…

それと、石田三成の挙兵をきいて、徳川家康(内野聖陽)があんなに慌てるか?ということ。

徳川家康は6月16日に大坂城を出陣していて、毛利輝元が大坂城に入城したのが7月17日で、この時点で徳川家康は下野(しもつけ)(栃木県(とちぎけん))の小山(おやま)辺りにいたわけですから、ずいぶんゆっくりとした行軍な訳で、さらに小山から取って返して関ヶ原(せきがはら)本戦が開始するのが9月の15日ですから、ゆっくりしすぎですよね。

三成挙兵の知らせを聞いて慌てるくらいなら、もっと急いで上方(かみがた)に戻ると思うのですが…

そう考えると、徳川家康は石田三成の挙兵を読んでいた、または誘発した、という一般的な解釈を逸脱するのはなかなか難しいような…

そして、もっとも気にったのが、きり(長澤まさみ)が火のついた細川邸にいたという演出。
無理無理!
火がついていて、さらに石田方の軍勢に囲まれた邸に入れるわけないじゃん!笑

関ヶ原の新解釈もそうですが、どうも『真田丸』にはリアリティを感じるのが難しい気がします。
「史実に忠実」というのはあきらめていますが、フィクションならフィクションなりに、「ありそうだな」というリアリティを感じさせてほしいわけです。

岸辺露伴先生も言ってますよねw

フィクションだから実際には起こりえないに決まっていますが、「何だか本当にありそうだな」と視聴者に思わせる説得力がほしいです。

だから、部分的に面白いところはあるけど、全体的には面白くないと感じました。

まぁ、これはあくまで僕の感想なので、面白いと思う人はそれでいいですが 笑

○今回登場した人物のフルネーム(参考:「武家や公家の名前について」)
・石田 治部少輔〔通称は佐吉〕 下毛野〔平〕 朝臣 三成
いしだ じぶのしょう〔通称はさきち〕 しもつけぬ〔たいら〕 の あそん みつなり
・大谷 刑部少輔〔通称は紀之介、平馬〕 平 朝臣 吉継〔吉隆〕
おおたに ぎょうぶのしょう〔通称はきのすけ、へいま〕 たいら の あそん よしつぐ〔よしたか〕
・真田〔武藤〕 安房守〔通称は源五郎、喜兵衛〕 滋野〔源〕 朝臣 昌幸
さなだ〔むとう〕 あわのかみ〔通称はげんごろう、きへえ〕 しげの〔みなもと〕 の あそん まさゆき
・真田 左衛門佐〔通称は源次郎〕 滋野〔源〕 朝臣 信繁〔幸村〕
さなだ さえもんのすけ〔通称はげんじろう〕 しげの〔みなもと〕 の あそん のぶしげ〔ゆきむら〕
・真田 伊豆守〔通称は源三郎〕 滋野〔源〕 朝臣 信幸〔信之〕
さなだ いずのかみ〔通称はげんざぶろう〕 しげの〔みなもと〕 の あそん のぶゆき〔のぶゆき〕
・徳川 内大臣〔通称は次郎三郎〕 源 朝臣 家康
とくがわ ないだいじん〔通称はじろうさぶろう〕 みなもと の あそん いえやす
・石田 隼人正〔通称同じ〕 下毛野〔平〕 朝臣 重家
いしだ はやとのかみ〔通称同じ〕 しもつけぬ〔たいら〕 の あそん しげいえ
・毛利 前権中納言〔通称は少輔太郎〕 大江 朝臣 輝元
もうり さきのごんのちゅうなごん〔通称はしょうのたろう〕 おおえ の あそん てるもと
☆武家の「通称」の普及を切に願います!

参考
真田のよもやま話
関ヶ原ブログ
渡る世間は愚痴ばかり


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