谷口克広『信長と消えた家臣たち』 | 歴史愛~歴史を学び、実生活を豊かにする~

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「温故知新」とは言いますが、世の中を見渡すと表面的な教訓ばかりでイマイチ実生活に活かすことのできない解説ばかりです。歴史的な出来事を、具体的な行動に置き換えて実生活をより豊かにし、願望を実現する手助けになるように翻訳していきます。


※こちらの記事は、平成20年7月22日に書かれたものです。

こんばんわ。
ブログ更新新記録。

ということで、今回は谷口克広氏著『信長(のぶなが)と消えた家臣たち―失脚(しっきゃく)・粛清(しゅくせい)・謀反(むほん)』という本についての感想です。

以前横浜(よこはま)に行ったとき、かばんに入っていた本を行きで読み終わってしまい、帰りに読む本を買おうと思って、ジョイナスの本屋で物色して見つけた本です。

どういう本かというと、著者あとがきにあるように織田(おだ)信長の業績の下で「幸運に恵まれずに散っていった者」の「生き様を紹介してやりたい」というコンセプトの下書かれた本です。
著者は在野(大学に所属していないという意味)の方ですが、著述の手法は論文的なものなので、準論文といった感じか。おそらく著者も論文を意識して書かれておられるのだと思います。いわゆる「トンでも本」ではないようです(僕は、いっつも「信憑性」の問題で「論文」かどうかを気にしてるんですが、この本は「注」はありませんが、典拠となる古文書が明記してあるので信憑性は高いかと。原典未確認ですが)。




ということですが、この本は織田信長の事績が頭に入っている状態か、ある程度予習した状態で読むと面白いです。信長マニア級でないと、おそらく全然面白くないと思う(笑
信長がどのくらいの時期に何をやったか、ということが書かれている本ではなくて、それがわかっている前提の本なので(著者は、信長に関する本を多数出版しているので、ついでだからそちらをご覧になると便利かと思います)。

で、この本で取り上げられている「消えた家臣」の名をできるだけ列挙してみると、
・森可成(もり・よしなり)


森可成の登場する記事を読みたい方は、下記リンクをタップしてください:
叡山焼き討ち―問題が山積みのときの対処法

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・坂井政尚(さかい・まさひさ)
・中川重政(なかがわ・しげまさ)
・塙〔原田〕直政(ばん(はらだ)・なおまさ)
・簗田広正(やなだ・ひろまさ)
・万見重元(まんみ・しげもと)
・神戸具盛(かんべ・とももり)
・関盛信(せき・もりのぶ)
・北畠(きたばたけ)一族
・堀秀村(ほり・ひでむら)
・樋口直房(ひぐち・なおふさ)
・林員清(はやし・かずきよ)
・磯野員昌(いその・かずまさ)
・安藤守就(あんどう・もりなり)
・丹羽氏勝(にわ・うじかつ)
・神保長住(じんぼう・ながずみ)
・松永久秀(まつなが・ひさひで)
・三好義継(みよし・よしつぐ)

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・水野信元(みずの・のぶもと)
・松平信康(まつだいら・のぶやす)


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・赤井直正(あかい・なおまさ)
・波多野秀治(はたの・ひではる)
・別所長治(べっしょ・ながはる)

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・荒木村重(あらき・むらしげ)

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という感じで、もちろん僕も知らない武将たちがたくさんいたんですが、これらの人々の名前を見るだけで、よだれが垂れてきそうです。ワクワクします(笑

中でも目からうろこというか、全然知らなかったのですが、佐久間信盛(さくま・のぶもり)は失脚までの間、柴田勝家(しばた・かついえ)と二人で織田家を二分する大勢力だったそうですね。二人して、織田家の右翼左翼を担っていたそうです。

織田家の有力家臣といえば、柴田勝家を筆頭に、明智光秀(あけち・みつひで)、羽柴秀吉(はしば・ひでよし)、丹羽長秀(にわ・ながひで)、滝川一益(たきがわ・かずます)などが有名ですが、柴田勝家以外の(明智光秀も別格かもしれませんが)人物たちが大身となったのは、大体、佐久間信盛の失脚後だったようです。丹羽長秀なんかは佐久間信盛の失脚後もあんまり大身とは言えなかったようです。

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そんな感じのことが書かれています。
信長マニアの方にはぜひお勧めです。


参考
明石屋本舗
むとうすブログ
書評気分の読書感想文


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