メジャーの消化試合は消化試合ではない? | まだまだ続く独り言

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在米スポーツライターの雑記帳

今日もブルージェイズの川崎選手の取材でした。

4試合ぶりに先発出場し、結果は3打数2安打2四球。2番打者として4出塁と、試合には敗れましたが見事に自分の役割を果たすことができました。

実は最近の川崎選手は出場機会こそ少なくなっていますが、成績自体は決して悪くないのです。先発した試合はここ3試合連続でマルチ安打を記録し、9月の月間打率は何と4割を誇っているのです!

一方川崎選手に代わり、8月22日にメジャー初昇格以来先発二塁手を任されているゴーイング選手は、ここに来て打撃が急降下。同じ9月の月間打率を比較すると、1割3分3厘という状況です。普通に考えれば、川崎選手が先発で出場しておかしくないところでしょう。

ですが残念なことに、すでにプレーオフ争いから脱落している現在のブルージェイズの場合、勝つことより大切なことがあるのです。それは来シーズンを見据えた戦力分析なのです。

ゴーインズ選手は2009年にドラフト4巡目(30巡指名できる中での4巡目ですからトップ指名です)で指名された、ブルージェイズの期待を背負った有望選手です。少しでもメジャーの試合を経験させ、さらなる成長を促したいのです。それが可能なのがまさに今なのです。

すでに皆さんの中には、メジャーリーグが9月1日から出場枠が拡大されるのをご存知の方も多いと思います。8月31日までは25人に限られますが、9月1日以降は40人沸くに入っている選手なら何人でもメジャーに昇格させることができます。

ですのでプレーオフ争いから撤退したチームは、個人記録争いとか争っていないベテラン選手(契約が残っている選手も来シーズンの構想外になりそうな選手も含め)を休ませる一方で、すでにマイナーリーグが終了した若手有望選手に出場機会を与えるのです。

ファンにとっては多少寂しいとは思いますが、チームからすれば、あくまで消化試合の有効活用なのです。

ですから先日ギボンズ監督が明らかにしたように、いくら川崎選手の調子が良くても、余程のことがない限り今後もゴーイング選手を中心に起用していくことに変わりはないでしょう。

本来なら日本でもこうした戦術を採用した方がいいはずです。多少なりとも負傷を抱えるベテラン選手に無理をさせるくらいなら、休養させ来シーズンに備えさせた方がチームにとってもメリットがあるはです。

しかしそれができないのが日本です。というのも、選手たちは基本的に契約が毎年更新で、しかも契約の査定が細かい成績にまでおよびます。つまり選手たちは休んでる余裕などないのです。

日本では各球団が複数年契約に懐疑的なようですが、決してデメリットばかりではないのです。如何でしょう?

今日はこの辺で…。