▼ダブルメインイベント ~GO!NOW!~・30分1本勝負
 高橋奈七永 vs 中島安里紗

 


 中島「高橋奈七永と約半年間タッグを組んできましたが、前回の新木場大会で“私、高橋奈七永のこと大嫌いだったんだ”って思い出させてもらえて本当に良かったなと思ってます。私は高橋奈七永と話したりとか、高橋奈七永の笑った顔を見たりだとか、そんなことがしたかったわけではないので。私は大好きなプロレスラーと楽しく闘っている高橋奈七永っていうのがホントに嫌いなんですよね。でも25周年…今となってはたぶん、嫌いなプロレスラーってたぶん私ぐらいしかいないと思うんで。こうして対角に立つことで“私がちょっとだけ好きな高橋奈七永が見れるのかな”と、ちょっとだけ楽しみにしてます。最後は前回みたいな“(試合後に)称える”とか“認める”とか、そういう上から目線の態度は一切いらないんで。ただただ悔しい顔の高橋奈七永をリングに残してリングを下りたいと思います」


 奈七永「…今、コメントを横で話してるのを聞いても、なんだろう。心にまったく響かないっていうか…“これが私の好きじゃない中島か”っていうのを記憶がどんどん蘇ってくるっていうか。届かないよ。届かないし、結局中島はレスラーとして永遠に私より下っていうことなんじゃないかなと思いますよ、実際。でも、シトラスの風っていうものを組んだわけじゃん? 若い子たちもいるわけじゃん。どうすんの?」
 中島「“どうすんの?”って何?」
 奈七永「今、宙ぶらりんなわけよ」
 中島「オマエがやれよ勝手に。だいたい、そう思ってんのアンタだけじゃないの? 穂ノ利もさ川畑もさ、自分たちの闘いがあるわけ。組んでる時も思ってたけど高橋奈七永に気を使われるたんびに、こっちはホントイヤだったし。たぶん下の子もそう思ってると思うし。そんな高橋奈七永見たくないし…」
 奈七永「どういうこと? もっと気を使わずに思い切りやれっていう、なんか優しさみたいなもの?」
 中島「オメエに優しさなんかねぇよ!」
 奈七永「いやいや、なるほど…。私は25年プロレスをしっかりやってきて、お祝いムードなのは第3試合で、もうそこで終わりでいいと思ってます。26年目の私をこの試合で見せようと思ってます。高橋奈七永のフィルターというものを通して、お客さんには今の中島安里紗を見せればいいと思うし。中島っていうフィルターを使って、私は私を見せたいと思います。“GO!NOW!”って付けたんですけど、今っていう意味です。今までとかどうでもいいし、今現在っていうものをこの試合で見せたいなと思ってます」

 



 ━━もう奈七永と組む気持ちはない?
 中島「ないです。ないでしょ(苦笑)。闘う以外ないですね。さっきも言ったけど私が対角にいるべきだと思うし、なんかハッピーな高橋奈七永とか好きじゃない」
 奈七永「なんかハッピーしかないみたいな…。25年もプロレスを頑張ってきたんだから自分がやりたいことだけやりたいし、自分の中でハッピーだと思えることをやっていきたいので。こっちこそ、もう中島とは組みたくない。自分は2019年に髪を懸けて闘って負けて、その時にもう中島と試合するのは最後だと思ってたんですよね、ホントに。でもその時は髪やベルトを懸けたとかあって、今回ばかりは何も懸けてない、何もないシングルマッチなので。お互いの真価が問われる形になるんじゃないかなと思います」


 ━━さくら「2人にではないんですけどここにいる4人に、メインにどちらが勝つか? そして、どうしてそう思うかの理由を聞きたいなと思っております」
 リコ「自分は中島安里紗選手が勝つと思います。理由は自分が大好きで憧れた選手だからです」
 穂ノ利「自分は…(長い沈黙の後に)奈七永さんが勝つと思ってます。理由は……シトラスの風に入っていろいろ教えてくださって、自分は奈七永さんの試合を見てシトラスの風に入ったので、奈七永さんが勝つと思っています」
 笹村「自分は…まず理由から言うと、中島安里紗選手は自分が初めて憧れた女子プロレスラーっていうことと、高橋奈七永選手は初めて女子プロ団体に呼んでくださった団体のトップということで。自分が“どっちが勝つっていう次元ではない気がする”っていう気持ちと、言ってしまえば自分の興味は今はそこになくて“ラスエゴで頑張っていこう”って思っているので、結果を言うと興味はありません!」
 夏樹「高橋奈七永の本当の強さっていうのを自分はついてきて17年間見てきて…まずあれだけ大がかりな足のケガをしたにもかかわらずの復帰戦(昨年12月)で、ものすごい強さを見たんですよね。さらにレベルアップしてきた。…なんですけれども、高橋奈七永にずっとついてきたからこそ中島安里紗の気持ちもすごいわかりますし、そこで闘いしかない非情なところ。それがやっぱり髪切りマッチを見て、あんな髪のかかった試合でも容赦がなかった中島安里紗。こないだの試合の後もそうですけど“昔、誰が好きだから”とか、リングに上がったら闘いに私情を持ち込まないってところを見たら、中島かなと思います」
 さくら「私も中島選手だと思います」
 奈七永「え!?」
 さくら「25年プロレスやってきて“もう2度と試合したくない”って心から思って、本当にそれを守ってるのは私は中島選手だけで。そのぐらい強い。だけど25年やってきて、さらにメインで過酷だとわかっていてこの闘いに挑もうとしている奈七永選手を応援したい気持ちでいっぱいです。さらには穂ノ利選手がどちらも選べなくて言い淀んだ2~3分の時間が、とても貴重だなと思って。シードリングの未来は明るいなと思いました。7月11日、楽しみにしてます」