さてと、信州の下諏訪から上諏訪へと移動しつつ美術館を巡って歩いたわけですが、お次はまた上諏訪からひとつ東京寄りの茅野が下車駅となる博物館へ。

 

茅野も9月の半ば、車山高原で山歩きをした折の利用駅ですので、まだまだ来たばかり感のあるところながら、前々から気になりつつも訪ねられていなかった博物館に立ち寄るほどの時間がなかったのですな。それでこの際に!という次第。気になっていたというのは八ヶ岳総合博物館でありまして。

 

駅からの移動は路線バスの理科大線というのを利用するのですけれど、この路線は公立諏訪東京理科大学の休校日には運行されないとか、大学事情によって運行パターンが変わるとか、ほぼほぼ大学のスクールバスでもあるような。学生たちは乗車時、運転士に学生証を提示して乗り込んでおったようでありますよ。

 

とまあ、そんな具合でおよそ学生らしき若者ばかりが乗り込んで来るバスにしばし揺られ、終点のひとつ手前、その名も「理科大入口」というバス停が博物館の最寄りでありました。

 

 

バス停の名前そのままですけれど、大学の駐輪場が設けられて、その奥にはおそらくキャンパスが広がっているのでしょう。想像ですけれど、丘の上の山林を切り開いて広がるキャンパスとは、東京・多摩地域の大学のようであるなあと思ったものです。

 

が、この大学の名前のくどさ?に思い当たるところのある方もおいででしょうなあ、きっと。諏訪地域ばかりの話ではありませんですが、大学誘致が地域活性化の一助となるという考えはあちこちにありましたですねえ。結果として、いくつもの大学が誕生するも、目新しさが失われると定員割れが生ずるようにもなり、誘致した自治体側が「公立化」して丸抱えで面倒を見なくてはならなくなってしまったという話もままあるわけですねえ。後で気付いたですが、文部科学省HPには「私立大学の公立化に際しての経済上の影響分析及び公立化効果の「見える化」に関するデータ」があったりも。

 

定員確保に汲々とすることになった地方の私立大学、特に新設校や短大からの四年制大学転換組の中には、ばんばん留学生を入学させて定員確保を図るも、その留学生がおよそ学校に通っていない(アルバイトに余念が無いとかそういうことになりますか)てな事態が、ニュースで随分と報じられたこともありましたですねえ。

 

まあ、ここの大学の場合には関わりある東京理科大学で、これくらいの老舗感あるところともなればあまり無体なことをしたりはしなかったでしょうけれど。実際、先ほどの文科省データを見れば、公立化前年から入試定員充足率が1倍を超える(つまりは定員割れしていない)ようになってますから、公立化がいい方向に作用したのかもしれませんですね。

 

ただ、地域活性化策として大学誘致やら企業誘致やら、あるいは大規模商業施設誘致やら、あれこれありまして、どこでも苦肉の策として採用する手段ではあろうものの、果たして誰にも万歳てな具合な成功例ってどれほどあるのであるかなあと思ったりも。ビジネスの世界でいつの頃からか使われるようになった「Win-Win」の観点から成功としているようなことも結局のところ、取引の当事者双方にいい具合になることも、そのいい具合はどこかで第三者につけを回しているだけかもしれませんしねえ…。

 

と、余談ながらのお話がすっかり長くなってしまったですが、ことさらに公立諏訪東京理科大学のことだけを、また留学生のことをどうのこうの言っているのではないとは、受け止めていただけようかと。ともあれ、本筋である八ヶ岳総合博物館を訪ねたという話は次の機会には必ずということで。

 


 

なんだかお休みが続いて恐縮ながら、ちと近しいところから「松本城の写真を撮りに行くんだけど、一緒に温泉でもどう?」という話が舞い込んだのですな。あらら、また信州?ということはともかくも、季節的には「温泉?行く行く!」とはなるわけでして、明日(11/21)はお休みということに。明後日(11/22)にお目にかかれますと幸いでございます。