まあ、経緯はともかくとして、静岡県富士市にあってJR東海道本線の吉原駅で接続する岳南電車に乗っていくことに。とりあえずホームで待つことしばし。ホーム上を少々うろちょろしたところ、「富士山ビュースポットなる表示がなされておるではありませんか。

 

 

されどあいにく暑いばかり暑くて水蒸気たっぷり、お山の頂上付近がかろうじてうっすらと見えるくらいなもので…。まあ、ともかく日陰であることは助かったと。吉原駅は海に近い分、いささかなりとも風が抜けていくような気がしたものです。

 

 

そうこうするうちに折り返しの岳南電車がやってまいりました。余談ながら、上の写真で車両が大きく左に寄って撮れているように見えますのは、左側のベンチに腰掛けたサラリーマン風の(製紙会社関係の?)人物が組んだ脚が写り込んでしまっていて、トリミングした関係です(と、エクスキューズ)。

 

 

ですので、今度はちと接近しすぎの先頭部だけもう一枚(笑)。「9101」という番号が見えますので、9000系の車両であるようですが。元々京王5000系→富士急1000系という経歴をたどったものであるとか。そも岳南電車は富士急グループですものね。

 

 

他の乗客(といってもほんの数人でしたが…)写り込まないように車両の中も撮ってみましたが、ボックスシート主体のようすは、昔々の国鉄の急行列車を思い出させますなあ。こんなふうに、座席番号表示が貼ってあるのもまた。

 

 

しかしまあ、これほどのローカル鉄道に座席指定の番号が付いているとは?!と思うわけですが、経営厳しい地方鉄道のご多分に漏れず、岳南電車でもあれこれとイベント列車を運行しているようですので、その関係かと。分けてもよおく知られておりますのは、「夜景電車」という企画。いつしか顕れ出でた「工場萌え」の人たちを中心に?沿線にひしめく製紙工場の夜景を目当てに結構人気があるようですね。

岳南の夜景電車は夜の気配を楽しむひととき、、、 全長9.2キロの沿線に散りばめられたどこか懐かしい昭和の駅舎・車両・静寂な夜景・暗闇に包まれた工場の灯など流れる景色でノスタルジーに浸り、ゆったりとしたひとときをお楽しみください。

岳南電車HPにはこんな誘い文句がありますけれど、昭和レトロもわりと人気があるようになってますので、経営の大きな助けとなっておるのかもです。まあ、実際に乗ったのは真昼間ですので、車窓風景は「ああ、たくさん工場があるなあ」というくらいのものでしたが…。

 

 

てなことで、住宅地と工場とが交互に現れるような沿線風景を目にしつつ、ことこと進む岳南電車に乗っていたわけですが、この路線は終点の岳南江尾駅でどん詰まり。つながる鉄路の無い盲腸線ですので、いったいどこで降りるのがいいのやら。乗り鉄系であれば、行って帰ってくるのに乗車した事実こそ大事なのでしょうけれどね。

 

 

もちろん本当のところはそこまで行き当たりばったりではなくして、硬券の切符を買う段階で下車駅を決めてあったのですけれどね。それが、終点の3つ手前の岳南富士岡駅でして。

 

 

この閑散とした駅に降り立って果たして何を…というのは、駅名表示板に記された「がくてつ機関車ひろば前」に答えが。さてはて、機関車ひろばとはどんな?それを次回に振り返っておくことにいたしましょうね。