「坊っちゃん」の話でまた松山を引き合いに出しましたので、思い出しついでのことを。四国の出張から帰ってきて、改めて調べて「そうなんだったんだぁね」と思ったことがあったものですから。

 

松山でのひと仕事の後は高知へ移動することになっておりまして、四国内での列車移動はかつて高松から高知へ移動した際の経験からしてしんどいと思い、他のオプションとして高速バス利用ということになったのですね。

 

で、その名もホエールエクスプレスなる勇壮なネーミングのバスに乗り込み、2時間半程度と予定されるバス移動が始まったわけですが、土地勘のないところなだけにどこを走っているのか、さっぱり分からないのですなあ。

 

うつらうつらしてふと、かなぁり走ったと思しき頃に海が見えてきたものですから「おやあ、もう太平洋かあ?」と思ったのでありますよ。松山から高知への移動となれば、基本的に南下するものと思っていたもので。

 

ところが、ほどなく見えてきた高速道路の方向案内板には「徳島・高知← →高松」みたいに表示されていて、俄かに混乱の極みに。出発点が松山なのだから、どちらかといえば徳島と高松が同じ方向であって、高知は違うだろうよと思うところでして、先ほど見えた海が太平洋だと思えばなおのこと。


とにもかくにも「どこをどう走っていたのであろうか???」と、これまた帰ってきてから調べてみて、びっくり「そうであったか」と思ったわけで。

 

 

四国の高速道路というのはざっくり言って、東西の道路と南北の道路が十字にクロスするような形で敷かれていたのですなあ。


地図では左端の丸で囲んだ松山を出発した高速バスはまず右手側、東に向かってひた走り、四国中央市(ちなみにここは愛媛県だそうで)に向かう。ずいぶん走ったから太平洋かと思った海はいまだ瀬戸内海だったわけですね…。

 

こうした迂回ルートとも思われる道筋を辿っていくのは、四国の南北の交通を四国山地が阻んでいるからでありましょうね。この四国山地は交通ばかりは気候なども南北に違いを生み、ざっくりいって北側は瀬戸内式気候、南側は太平洋側気候となって、思いも寄らぬことでしたけれど、北側地域にはスキー場が点在するほどでもあるとか。関東などという遠く離れたところにいますと、四国はかなり南の地と思っているだけに、そうなのか…と。

 

とまれ、高速バス移動でたどり着いた高知では松山でちょろっと美術館を覗いたりしたような余裕とてなく、仕事に邁進。食事もがさがさとした中でとったものですから、写真とてありませんが、カツオ、おいしゅうございました。クジラ、おいしゅうございました。ウツボ(!)おいしゅうございました。アオサ、おいしゅうございました。食の文化も四国を一筋縄で括れたりはしないのでしょう。

 

てなことで、帰途の高知空港で購った土産物の数々を御披露申し上げて、四国ばなしの締め括りとしていたしまする。