表参道の石段を一気に登った先にあることでも分かりますように、鹽竈神社は市街地の後背部、里山の上にあるのですな。で、三社大明神にお参りした後は、表参道を右に見て尾根筋をだらだらと長く下っていく東参道を経て本塩釜駅方面に向かおうという算段です。

 

 

神社の御神酒造を担う浦霞醸造元が奉納したと思しき境内案内図では左手にある急坂を登ってきて、手前側に下っていくということになりますな。

 

 

こちらの東神門を抜けると、そこで鹽竈神社としては境内を出たということになりましょうけれど、上の境内図でも見て取れますようにまだまだ大きな建物がいろいろ建っているようす。その一つが志波彦神社でありましたよ。

 

 

これはこれでひとつのお社として大層立派なものですが、元々は「東山道より多賀城に至る交通の要所宮城郡岩切村(現仙台市宮城野区岩切)の冠川の辺(現八坂神社境内)に鎮座しておりました」ということで、この後に多賀城の旧跡を訪ねようとしている者としては立ち寄るべくして立ち寄ったお社となりましょうか。

 

ところで、志波彦神社を背にして神苑越しに眺める遠望はなかなか大した遠望でしたですね。折しも、紅葉の名残りもそこここに見られることも相俟って。

 

 

 

神苑の傍らには社務所の大きな建物が並ぶのですけれど、これはどうも神社の建物ではないのでは?という気がしたのですな。果たしてそれは思い違いではなかったようで。

 

 

大きな神社にはままあることでして、神仏習合が常態であった頃、鹽竈神社の別当寺として法蓮寺というお寺さんがあり、社務を取り仕切っていたわけながら、明治の廃仏毀釈で廃寺になったと。建物はその名残りでしょうかね。

 

ちなみに訪ねたのは11月下旬でありましたが、この辺りでは紅葉が見られる一方で何と!桜が咲いていたり、つつじが咲いていたり…。

 

 

 

桜の方は「秋から春にかけて2度開花するのが特徴」という「四季桜」、つつじの方は看板にもありますように「紫琉球躑躅」の2度咲きする変種だそうで。

 

と、東参道を下るといいつつ寄り道しきりになりましたですが、裏坂とも言われるらしいゆるゆる下りを降りてまいります。