京都・伏見にやってきたのなら…と、ついうっかり足を向けてしまった伏見稲荷大社。早めに出向いたものの、徐々にぞわぞわとしてくる境内のようすにインバウンドを目の当たりにしたわけですけれど、実はインバウンドの実際に直面するのは本殿を裏側に回り込んで以降でありましたよ。おそらくはエキゾチック感ある「映えスポット」として千本鳥居の写真が外国の方々のSNSで駆け巡っていることでしょうから。

 

 

ただ、個人的には千本鳥居を目当てにここを通り抜けているのではありませんで、何はともあれ、ここに来たのならば稲荷山をひと巡りしておこうと思ったわけでして。

 

 

こういってはかなり偏見を含んでしまうかもしれませんが、外国から来られた方々の中には数多く「きっと体が重く感じておろうなあ」という印象をぬぐい切れないようすが見て取れたものですので、どんどん登るにつれて人は少なくなっていくだろうと思い込んでいたのですなあ。実際は全く逆で、登れば登るほどに日本人が減っていくといったふうでもあったという。

 

 

だもんですから、本来はゆっくりと坂道を踏みしめて巡ってくるつもりが、次々出てくる外国人グループを一つ追い越し、また追い越しと、ついつい速足になってしまい、伏見稲荷ビギナーなれば必須の立ち寄りポイントとも思しき「おもかる石」などは気付いたときには通り過ぎており、すでに四つ辻に到達していたという…。

 

 

土地勘が全くありませんので、京都市街なのであろうという眺望を得て小休止の後、さてお山一周約30分とあるひとまわりを左回り、右回りのいずれで回ったものかと。

 

 

 

どうやら右回りは登りから始まり、左回りは下りから始まるというようすを見て、あっさり左回りを選択することに。最後に下っておりて来られる方を選んだわけですな。

 

 

ここから先は山のなからしさが格段に出てきまして、自然に抱かれた心持ちがお狐さんたちを喜ばせるのか、少々はしゃぎ気味でもありましたなあ。外国人観光客の方々も、あちこち写真を撮りまくっておったようです。

 

 

ま、最初は下りで始まった左回りの道も当然に、山頂に向かって登りがちになるのは当然ですな。さすがに些かまばらになってきましたですが、体格をよそに外国の方々は至ってお元気のごようすです。

 

 

てなことで、久しぶりの急斜面に難儀しつつもさほどの大汗をかくこともなく一ノ峰、すなわち稲荷山の山頂233mに到達いたしました。思うに、これが172mだったなら(「いちななに」≒「いなり」で)さぞ験が良かったろうなあ…とは戯言です(笑)。

 

 

それにしても、末広大神を祀るというこの一ノ峰、山の頂上とはいえ、眺望が開けるでなもないので、「本当に山頂?」と思う方も数多いるのでしょうなあ。それこそ鳥居前にある茶店に「ここが?」と尋ねてくる向きも多いからか、石段脇に置かれた看板が茶店の方の困惑を伝えて、つい笑いを誘われたりもしましたですよ。

 

 

状況から考えますと、世界各国語とは言わないまでも英語表記を併記しておかないと茶店の方の苦労は減らないような気もしますが、それはともかく下山に書かかります。登りでばらけたところが下りではまた塊になりますので、渋滞気味になっておりましたなあ。

 

 

で、下りきったところで「帰りは裏参道から」と、ひょいと覗けば裏参道はこんな具合。何の変哲もない平日なのですけれど、これでも早く出てきてよかったとつくづく思ったものでありますよ。

 

 

山歩きの行動食を持っておりませんでしたので、ちと買い食いでもと思っておりましたが、駅方向からずらりと続く参拝者の行列を見て恐れをなし、「三十六計逃げるに如かず」と退散を決め込んだのでありましたよ。

 

 

ということで、「伏見に来たのだから寄っておくか…」というくらいの気分で出向いた伏見稲荷大社でしたですが、ここを訪ねてわざわざ世界中からこんなにも人がやってくるものなのであるか…てな思いを新たにいたしました。ついで(と言ってはお稲荷さんに不遜かもですが)のお話はここまでとして、個人的な旅の思惑本来の話へと戻ることにいたそうかと。また京阪電車に乗って移動です。