ということで雨天停滞となった南九州市の宿は番所鼻自然公園に隣接して、開聞岳と海を間近に望むこちらのお宿「いせえび荘」でありました。

 

 

その名のとおりに晩飯には伊勢海老の活きづくりがどんとテーブルに添えられて、いわゆる「映える」夕食であったわけですが、ついつい食する方を優先してしまいまして…。食事のみも可というメニューの一端をこちらでご覧いただこうかと思いましたが、写りが悪いのでよく見えませんですねえ(苦笑)。

 

 

ともあれ、どこへ行くにもさほど宿にこだわらない方なのですが、こちらのお宿は世の中的にずいぶんと高評価を得ているようす。それは眺望や料理にもよるところでしょうけれど、結構あれこれともてなされている感がありましたなあ。

 

 

テラス脇のこのスペース、もそっと狭い感じで温泉旅館によくある空間ですけれど、ここの設えが洒落ておるのはともかくも、用意されているお茶などはもちろん、冷蔵庫の中のビール、ソフトドリンクなども「ご自由にお飲みください」と。まあ、無料でといっても予め込み込みで宿泊料金が設定されているのでしょうけれど、それでも妙に得した気分になったりも。モノに釣られやすいですなあ(笑)。

 

 

そんな中、ウェルカムドリングとして提供されているのが芋焼酎であるとは、実に実に鹿児島らしいところかと。しかも4種飲み比べできる上に、それぞれがフラスコに結構な量、入っておるわけです。もっとも香りが立つお湯割りで行くのを良しとしておりますが、こりゃあ飲みきれない。残せばいいだけの話ですが、もったいなさが出てしまったりもするわけで。

 

参考までに4種類の焼酎を振り返っておきましょうかね。左から「さつま寿」(尾込商店・南九州市川辺町)、「赤薩摩」(薩摩酒造・枕崎市立神本町)、「あらわざ桜島」(本坊酒造・鹿児島市)、「頴娃」(南九州市頴娃町)であるということで。最後のはJR指宿枕崎線に駅のある町の名前で「えい」と読むそうですが、なんでも「焼酎で町おこしを」とNPO法人が作っているのであるとか。

 

「あらわざ」の本坊酒造は大手のようですね。本業の焼酎に接するのは初めてですが、山梨県石和にあるマルス山梨ワイナリー、長野県駒ケ根にあるマルス駒ケ根蒸留所で、それぞれマルスのブランド名でワインとウイスキーを造っておるという方が馴染みがある。どちらも訪ねてみたことがあるものでして。

 

と余談はともかくも、芋焼酎4種飲み比べに挑んだところ、普段飲みなれていないだけに味わい、風味を語る言葉を持ち合わせておりませんですが、単純に好みとしては「さつま寿」を選ぶかなとその時は。しかしながら、その後も旅を続けて夕食ごとにさまざまな銘柄の芋焼酎にトライしていった結果としては、お湯割りで立ってくる香りの豊潤さで「焼き芋焼酎」というものにこそ「おお!」と思ったものです。

 

甘口の日本酒が燗をつけると見事にエッジが立つように(?)焼き芋の甘さがお湯に包まれて香るところが良いですな。そこで、帰りがけに鹿児島空港の売店で見つけた「焼き芋焼酎 紅はるか」を買ってきて、ちびりちびりやっているのですけれど、どうも鹿児島で飲んだあの味には至らない。

 

 

まあ、焼き芋焼酎と言わず「鹿児島県には111もの蔵元があり…」と「時遊館COCCOはしむれ」の展示にありましたし、奥深い世界なのでしょうなあ、鹿児島の焼酎は。