雨に振り込められながら薩摩伝承館時遊館COCCOはしむれを巡った指宿の市街地を抜けて、おとなり南九州市にある当夜の宿方面へ向かう途中、たまたま雨が小降りであるタイミングでもってひとつ立ち寄りポイントに。JR九州の指宿枕崎線にある西大山駅でありますよ。

 

 

廃線が危ぶまれる指宿枕崎線にあっては、運行ダイヤも実におさびしい限り。当然のように単線、無人駅なのですよねえ。

 

 

さりながら、いかにも観光客向けと思しき「幸せの鐘」なるものが設置されていたり、実際にJRの乗客でもなさそう(みな車で来てますし)なのに立ち寄る人がいたりする(半分くらいは外国から来られた方々だったようで、わざわざねえ)のは、ここが開聞岳を見晴らす絶景ポイントであるとはしても、それよりもなによりも「JR日本最南端の駅」というランドマーク性の故でありましょう(かくいう我らも同様に釣られて…)。

 

 

ところでこの標柱に記されていることですけれど、JRの路線としては日本最南端であることは間違いないので今は差しさわりはないものの、Wikipediaにはこんな紹介が載っておりましたですよ。

北緯31度11分に位置し、1960年の開設以来長らく日本最南端の駅だったが、2003年の沖縄都市モノレール線(ゆいレール)開通に伴い、同線赤嶺駅(沖縄県那覇市、北緯26度11分36秒)にその地位を渡した。その際、「日本最南端の駅」の標柱を「本土最南端の駅」に改めたが、「沖縄は本土では無いのか」との意見が寄せられたことから、2004年に表記を「JR日本最南端の駅」へ変更している。(Wikipedia「西大山駅」の項より)

最南端をどう言い表すかに関わって、大隅半島最南端の佐多岬に寄ったところでとやかく言ってしまいましたですが、この記載を見て「ああ、やっぱりなあ。そういう話もあるよなあ」と思ったものなのでありました。いささか表記には工夫が必要ながら、それでも「最〇端」というのはPR要素たりうるところなのでしょう、西大山駅から指宿方向に二つめの山川駅は「JR日本最南端の有人駅」と称しておるようで。

 

 

ま、条件を付加すればいろいろと「最〇端」は誕生するものと思いますが、JR管内の最南端駅はやはり西大山駅ということになりましょうね。ちなみに、最南端にあって、それではほかの方角の末端は?と思う人への便宜?として、こんな案内もありましたなあ。

 

 

北、東、西の末端はそれぞれ稚内駅、東根室駅、佐世保駅でしたか。稚内と東根室はいかにもな末端感がありますけれど、佐世保を末端とは何だか反ってPRにならないような気も…。もっとも、この案内板で「ん?!」と思いましたのは、むしろ「西大山駅とほぼ同緯度にある主な都市」の方でしょうか。上海はともかくも、エジプトのアレクサンドリアとアメリカのエル・パソとは!それぞれの地域柄による気候の条件は異なるにもせよ、それにしても暑そうだなあと。

 

ともあれ、のどかなのどかな西大山駅で写真を撮ったりしているうちに、またしても雨脚が強くなってしまい…。その後の見て歩きは諦め、早々に南九州市は番所鼻自然公園というところに隣接した本日のお宿へ入り、まったりとすることに。天気がよろしくないのが何ですが、部屋からの眺望は海に面して大きく開け、開聞岳もまた別方角から眺めやることができたものですのでね。長旅にはしばしの休息、停滞もまあ、必要ですものね。