さてと、山梨から帰ってきました…といっても、日々更新のブログをご覧願うにはもはや東京と山梨とどちらにいようが関わりないですなあ。リモートワークなるものが特別なものでなくなってきている世の中では、まさにどこにいようがお構いなしということでありましょうねえ。

 

ただ、どこにいても同じデータを使えるようにと思えばUSBメモリを使ったり、外付HDDを使ったりすることもあろうかと。そんなUSBに入れてあったデータが消え失せた…とは先日遭遇した事態でしたけれど、いったいどうしたことであるのか、今度は外付HDDのデータまでが読み込めなくなってしまったのですなあ。よほどデジタルの神に見放されているのでもありましょうか。

 

先のUSBの件でも愕然としたことは言うに及ばずながら、HDDの方にはこれまで海外で撮ってきた写真データなども満載の状態でしたので、落胆度合は一入。でも、先にUSBの事例があったものですから、形あるものは皆壊れる(データに形らしきものはないにせよ、データが格納されている「モノ」には形があるわけで)と些かの達観も(まあ、クラウドにあったらどうであるか…と思ったりはしますが)。

 

先日はデータ復旧ソフトウェアなんつうものを買いに走ったりしましたですが、結果のほどは思わしくなかったわけで、まあ、今度はダメ元で業者に相談してみますかねえ。数々のHPを見る限り、結構な費用も掛かりそうですので、そのときは諦めるしかないなあと。元よりものごとに執着しない性質だと思ってますのでね(苦笑)。

 

とはいえ、その「ものごとに執着しない性質」というのは生来のものではありませんで、だんだんとそういうふうになって、気が付いたらそうだった…てな感じでしょうか。そういうのは「性質」とは言わないかもですが(笑)。とまれ、そんな思い巡らしをしましたのは、昨日の夕刊で小さく小さく報じられていた記事を見かけたからでもありましょうかね。曰く「レコード芸術、休刊」というものです。改めて発行元である音楽之友社のHPによる告知に当たればこのように。

クラシック・レコード評論の専門誌として1952年3月に創刊し、70年を超えてご愛顧いただきました『レコード芸術』ですが、近年の当該雑誌を取り巻く大きな状況変化、用紙など原材料費の高騰等の要因により、誠に残念ではございますが2023年7月号(6月20日発売)をもちまして休刊にいたすこととなりました。

早い話が「さほどに売れなくなってしまった…」ということでもあろうかと。かくいう自分自身も手元にある最も新しいのが2006年9月号とあっては、何も言えたものではありませんですなあ。

 

 

ここにある中で最も古いのは1996年ですけれど、買い始めたのはたぶん1970年代ではなかったかと(相当に処分してしまいましたが…)。CD以前、LPレコードの時代、当時の中高生にとってレコードは実に高価な買い物でありまして、簡単に試聴することもままならなかっただけに、『レコ芸』の新譜紹介を参考にしつつ厳選に厳選を重ねて、虎の子の一枚を買い求める。そんなふうにして入手したレコードは今でも残っておるのですよね。いささか場所ふさぎの感があるものの、なかなかに処分できないのでして、これ、執着以外の何物でもなかろうかと思うわけです(笑)。

 

レコードの後、CDの時代になって少々自らの可処分所得が増えたことに気が大きくなり(?)、CDはレコードほどに置き場所を取らない気安さも手伝ってどんどんと増えていくことに。買うペースに聴くペースが追い付かず、本で言うなら「積ん読」状態にあるCDがおそらく今でもあるような…となれば、これもまた執着の結果でもありましょう。いやはや。

 

ともあれ、『レコード芸術』という月刊誌は(決して熱心な読者であったとは言えませんですが)録音媒体を通じた自らの音楽体験を思い出させるトリガーにもなったわけですが、それが休刊ですか。何かが無くなるということに関して、かなり淡泊にやり過ごしているものの、今回は昔をあれこれ思い出して、ちと感慨深くなったものなのでありました。

 

「休刊」というのは、文字通りと見れば「お休み状態」でしょうから、この後にもしかすると不定期刊とか季刊とかで再登場するかも。何せ、CDの凋落著しい中、マーケットは小さいにしてもアナログ・レコードはそれなりの復権を遂げつつあるようですし。